管理職にいるマーケターとして、重視していること
――これからマーケティング組織をどのようにレベルアップさせていきますか?
今7人のチームなので、次は10人の壁が出てくるのだろうと思いますが、今後メンバーが10人、15人と増えていくとき、大事にしたいのは各メンバーの“専門性”です。たとえば、マーケティング業界には様々なカンファレンスがありますが、特定領域のスキルを持って、そういった場に登壇できるような人材であってほしい、というのが僕の考えです。専門性というのは、直接業務に関連するものでなくてもいいんです。なにかずば抜けた特殊なスキルがあれば、そのコア部分はきっと業務にも活きるはずだと思っています。
また、広い意味でマーケティングを考えると、それはマーケティング部門だけが知っていればいい、やればいいものではないと思っています。特にBtoCのサービスのマーケティングでは、プロモーションとプロダクトの両立が重要です。
僕は、マーケティングというのは、消費者を主語にすることだと考えています。プロダクトの開発においても、メーカー側を主語にするのではなく、消費者を主語に、メリットのある価値を実装することが求められます。たとえば、「NewsDigest」を広く知ってもらうためには、ユーザーにメリットがあり、かつ世の中でバズりそうな機能を作ることが必要です。入社時から、この両立の良いバランスを見つけていきたいという話はしていました。すべての活動で消費者を主語にするために、マーケティング部門以外の方々にも、マーケティングの考え方を広げていきたいですね。これは会社の文化を変えることにもなるので、代表の米重におんぶにだっこな部分でもありますが(笑)。
――最後に、松本さんと同じように人材育成・組織強化に取り組んでいる読者へ、一言アドバイスをお願いします。
偉そうなことを言える立場ではないのですが、野球にたとえて話してみますね。
マーケターも野球選手と同じように、腕一本でやっているところが大きいので、本人にその気があれば、すぐに球団(会社)を移ることが可能な世界だと思っています。昨今のプロ野球界で見られるとおり、やっぱりみんなメジャーに憧れるわけです。これはマーケティング業界でも同じで、最近ではいわゆるP&Gマフィアと呼ばれるメジャーリーガーたちがたくさんいて、少し外に目を向けると単品通販業界など特定リーグもあったりする。
そうなると、人材が出ていってしまうのはもう仕方ないので、いわゆるメジャーリーガーのようなスキルのある人に入ってもらえるような球団にする。魅力的な組織にするということが、管理職クラスのポジションにいるマーケターの大事な役割だと思っています。我々も、BtoB領域は特に今絶賛人材募集中です。これを読んで門を叩いてくださる方がいればいいですね。