ブランドキャンペーンが行動変容に寄与していることも実証
続いて2つ目の検証である、態度変容と行動変容の相関分析について。今回はParaviのアプリ利用、インストール、サイト来訪を「行動変容」と定義し、検証した。
結果、キャンペーンの広告接触者は非接触者と比べて、アプリ利用率は185%、インストール率は200%。サイト来訪率が155%に。いずれもParaviのビジネスゴールに近い行動変容につながっていることがわかったという。
また認知、興味、利用意向でファネルがより深まるほど、行動変容に寄与していることを見出すことにも成功した。
「これまでブランドキャンペーンの効果測定は、推定の域を出ないところも多く、難しいところでした。ただ、今回のような座組で配信から検証まで行ったことで、ブランドキャンペーンに明確に意味があることがわかりました。今後もダイレクトレスポンスの広告だけではなく、ブランドキャンペーンが非常に重要な役割を担っていくと考えています」(舩曵氏)

吉田氏は今回の検証で、KGIへの貢献が可視化されたことが大きな点だったと語った。
「アプリのインストール、利用、Paraviのサイト来訪のいずれも、ドコモさんのデータを使ってログで検証しています。ログベースでしっかりとKGIへの寄与がわかりました」(吉田氏)
個人情報保護の潮流をチャンスに変え、継続的なPDCAを
舩曵氏は今後の展望として、統合メディアプランニングをさらに推し進めていくという。
「今後は、最適な予算配分の検証と、ファーストパーティーデータの深堀りにトライしていきたいと考えています。弊社でもデータ分析は定期的に行っていますが、なかなか打ち手まで落とし込みきれていないという課題感があります。たとえば今後、第三者データと紐付け、CVユーザーのクラスタリングができると、自社データだけでは見えてこなかった新しい見込み顧客の顕在化ができるのでは、と考えています。これまでとは違うアプローチでの会員獲得につながる可能性もありますので、新しいターゲティングを含めた配信にもチャレンジしたいです」(舩曵氏)
また、NTTドコモの加藤氏はこういった分析について、「Data Clean Roomの利点」を改めて解説し、セッションを終えた。
「1つのキャンペーンの分析という単発の話ではなく、継続的にご利用いただく中で、いろいろな課題が見え、課題解決の施策を実際に打っていくことができます。これがData Clean Roomの良いところです。今回、『何を分析すればいいか』がまさに浮き彫りになったと思うので、ドコモのデータもParaviさんのデータも上手く活用しながら、今後の課題解決も行っていければと思っています」(加藤氏)
