SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

スマートフォンのカメラがもたらした新しい価値観と体験から学ぶ、UX向上のヒントとは

今後、スマホカメラは一眼レフカメラをも凌駕するのか

 スマホのカメラがコンパクトカメラやエントリーモデルの一眼レフの価値を変化させていきました。同様に今後、ハイスペックなフルサイズ一眼レフカメラにも追いつく、またはそれを追い越し、価値観を変革させる可能性はあるのでしょうか。その答えはとても簡単であると同時に、非常に複雑です。

 まず現状の技術では、スマホカメラが高性能一眼レフカメラを追い越すことは基本的にはないと断言できると考えています。その理由として、カメラに搭載されているイメージセンサーサイズが、カメラの基本性能の根幹を担うからです。カメライメージセンサーが大きいほど光を多く取り込めるので、ダイナミックレンジが広くなり、それにより白とびや黒つぶれを低減し、自然なボケを表現。大きさと性能は、ノイズの出方によって差が生まれます。

 スマートフォンはデバイス自体が一眼レフカメラよりも小さいため、この大きなイメージセンサーを搭載することができません。またレンズの口径サイズの大きさにも影響されるため、物理的な観点でみても実装することは極めて厳しいでしょう。

絞り値はF2.5〜F2.8で撮影しています。
絞り値はF2.5〜F2.8で撮影しています。

同じ画像を同じ状況で撮影してみても、ビジュアル的にはかなり表現力に違いがあると思います。空気感や被写体の質感、輪郭のボケ味にかなり差が出ています。光の少ない暗い状況で撮影するとノイズも含めさらに顕著に差が出ます。しかし、画像処理プロセッサやニューラルエンジンの性能は日々進化しており、スマホカメラの領域は常に拡大し続けています。

 iPhoneを例に挙げると「iPhone7Plus」以降登場した「ポートレート機能」などは、それまでできなかった背景をボカすことを実現していますし、「ナイトモード」では夜や暗闇で発生したノイズを、デジタル処理(※)によって一眼レフカメラとは別のアプローチで処理することを可能にしています。

※:シャッターボタンを押す前から常に画像をセンシングし、ボタンを押す直前の複数枚の露出の写真と、シャッターボタンを押したときの長い露出の写真を活用し、最適に仕上げること。

まとめ

 スマホの技術進化とカメラは、ユーザーの生活スタイルや新しい自己表現方法にも影響を与え、新しい価値を生み出してきました。これまでの歴史でも技術が写真の撮りかたや使用方法を変えてきましたが、この先もまだ、写真自体やそれを取りまく状況や価値観をデジタル技術は変えていくはずです。ここで大切なのは、デバイスの高性能化ではなく、ユーザーに寄り添い新しい価値を提供することで、ユーザーが体験するストーリーを新たなゴールへと導いたことでしょう。

 今もフィルムカメラがなくならずそのユーザーが絶えないのは、そこに技術進化や高機能では表現できないニーズやストーリーがあるからです。

 UIUXデザイナーは最終的に「人」のためにサービスやプロダクトをつくっていくべきだと感じています。人やプロダクト、環境や技術との関係性をより深く洞察し、つなぎ合わせることで新しい価値へと導けるのではないでしょうか。この記事がUXデザインを考えるひとつのヒントとなれば幸いです。

 次回は、5月11・12日のGoogle I/O 22で発表された、Androidの新機能やマテリアルデザインのアップデートにフォーカスして考察していきたいと思います。

 以上、新谷でした。ありがとうございました!!

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

※CreatorZineへの会員登録(無料)が必要になる場合があります。

  

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/05/26 11:00 https://markezine.jp/article/detail/39090

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング