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広告主に新たな選択肢の提供を──Microsoft 広告の日本立ち上げを担うマネージャーに迫る

 2022年5月31日に日本市場へ提供を開始した、Microsoft 広告。アドネットワークとして後発だが、Windowsのインストールベースを起点とするプラットフォームの成り立ちや、新しいペルソナである「仕事と生活の境界線が柔軟に変化している生活者」と親和性が高く、注目度は高い。今回、Microsoft 広告の特色や独自の顧客層、プライバシー保護の取り組みなどについて、日本マイクロソフトのMicrosoft 広告事業本部、岡部氏と金田氏に話を伺った。

パソコンで検索する「ワークデイ コンシューマー」

──2022年5月31日に、Microsoft 広告日本市場で提供を開始し、日本国内専任の営業部門が発足しました。まずは、お二人の自己紹介をお願いいたします。

岡部:新卒から現在まで、一貫してデジタル広告業界にてキャリアを積んできました。広告代理店に始まり、メディア、プラットフォーム、動画ネットワークなど広告主側以外は一通り経験しております。

 実は2000年代前半から2010年半ばにかけて、以前のマイクロソフト広告事業部門を経験し、今回Microsoft 広告にて2022年5月末よりセールスマネージャーに着任しました。

金田:私はIT関連の仕事に2000年頃から関わり始め、2006年から本格的にインターネット広告の仕事に携わってきました。始めは検索エンジンのセールスチームを率いていたのですが、その後インターネット事業の立ち上げ・再生を担ってきました。

 そして今回、マイクロソフトが広告事業を再スタートするということでお声がけいただき、岡部と同じくセールスマネージャーに着任しました。

──日本の広告市場にマイクロソフトが再参入する狙いを教えてください。

岡部:Microsoft 広告は、すでに欧米圏を中心にサービスを提供しており、2021年度の広告収入は100億ドル、日本円で1.26兆円の規模に成長しています。その背景には、Workday Consumer(ワークデイ コンシューマー)と呼ばれる、新しい消費者像の誕生が影響しています。

 ワークデイ コンシューマーとは、勤務時間とプライベートの時間をはっきりと区切るのではなく、柔軟に高頻度でオンオフの切り替えを行うライフスタイルを送る消費者のことです。

 在宅勤務をしながらオンラインミーティングに参加し、そのあとにコーヒー休憩をとりながら、週末のレジャーの情報を検索する……といった行動は、みなさんも思い浮かぶのではないでしょうか。

 私たちがForrester Research社と共同で行った調査によると、日本の場合、回答者の51%が、「勤務時間の合間に何らかの商品やサービスなどを定期的に検索している」という結果が出ています。さらにワークデイ コンシューマーの特徴は、パソコンを使って検索を行う点にあります。

日本マイクロソフト株式会社 Microsoft 広告事業本部<br />セールスマネージャー岡部博史氏
日本マイクロソフト株式会社 Microsoft 広告事業本部
セールスマネージャー 岡部博史氏

──パソコンが、ワークデイ コンシューマーのライフスタイルの中心になっているのですね。

金田:はい。この点が、ワークデイ コンシューマーとマイクロソフトの相性が良い大きな理由です。

 マイクロソフトのWindowsは、世界でおよそ10億台のデバイスにインストールされており、そこにはデフォルトのブラウザ「Microsoft Edge」と、検索エンジン「Microsoft Bing」を利用するユーザーも多いです。

 特に日本は、パソコンにおけるWindowsの普及率が高いこともあり、ワークデイ コンシューマーと親和性の高いMicrosoft 広告にとって、非常に可能性の大きな市場だと言えるでしょう。

Microsoft Bingの検索広告とオーディエンスネットワークの特徴

──Microsoft 広告が提供するサービスについて教えてください。

金田:Microsoft 広告では、Microsoft Bingの検索広告とマイクロソフトが運営するMSN、Microsoft Outlook、Microsoft Edgeのスタートページやタブページを中心としたオーディエンスネットワーク広告を提供しています。

──検索広告の特徴は何でしょうか。

 日本でのMicrosoft Bingの利用状況ですが、2021年12月にComscore(コムスコア)が行った調査では、パソコンによるデスクトップ検索者は2,800万人、月間デスクトップ検索数は、6.64億件、そしてデスクトップ検索でのマーケットシェアはMicrosoft Bingが10.8%となっております。

 グローバルにおけるマーケットシェアでは、すでに米国では37%、EU主要国でも20%を超えております。

──海外では、検索広告におけるMicrosoftの存在感が大きいのですね。続いてマイクロソフトオーディエンスネットワークには、どのような特徴があるのでしょうか。

金田:マイクロソフトオーディエンスネットワークは、Microsoft OutlookやMSNなど、自社のメディアを中心にネイティブ広告を配信するサービスを提供しています。日本では今後、信頼の置けるパートナーメディアと組み、配信面や広告在庫を増やしていく予定です。ブランド価値を毀損しない、クオリティの高いアドネットワークの運用に努めています。

独自のオーディエンス属性で、マーケティングに新たな選択肢を提供

──続いて、日本におけるMicrosoft 広告の強みを教えてください。

岡部:主に3つあります。1つ目は、やはり日本でも多くの方にお使いいただいているWindowsユーザーにお届けできるという点です。

 2つ目は、オーディエンス傾向です。Microsoft 広告における日本のオーディエンスの特徴として、他社と比較し16~24歳のユーザーと45歳以上の購買力のあるユーザーが多い傾向があります。特に45歳以上のユーザー層は、購買力が高い分、興味のある製品やサービスが案内されると勤務時間帯でも購入につながりやすい傾向もあります。

 そして3つ目の強みが、この独自のオーディエンスに効果的・効率的にアプローチできる広告プロダクト群を持つことです。機能追加や配信ロジックの最適化などはもちろん、導入のしやすさも重視しています。

 具体的には、他の広告サービスで活用している配信設定のデータを、数クリックでインポートできる機能があります。この機能を活用いただくことで、他の広告サービスを利用している企業様もすぐにMicrosoft 広告のサービスをスタートできます。簡単に他の広告サービスとMicrosoft 広告を併用できますし、管理画面やヘルプページもすべて日本語に対応しています。

 日本国内すべての広告主様、広告代理店様にご利用いただけるMicrosoft 広告は、すでに多くのお問い合わせをいただいており、市場からの期待値の高さを実感しています。

──Microsoft 広告は、広告主のどのようなマーケティング課題を解決するのでしょうか。

金田:アドネットワークとして私たちは後発ですが、オーディエンスの特徴を生かし、広告主様や広告代理店様のマーケティングの選択肢を増やしたいと考えています。市場では検索広告の単価が高騰し、出稿できずに機会損失となるケースがあります。Microsoft 広告は、お客様の新たな選択肢として、ビジネスのチャンスがさらに広がるソリューションとなることを目指しています。

日本マイクロソフト株式会社 Microsoft 広告事業本部<br />セールスマネージャー金田信和氏
日本マイクロソフト株式会社 Microsoft 広告事業本部
セールスマネージャー 金田信和氏

金田:グローバルで見ても数社のプレーヤーが優勢な状態は、業界全体の成長を考えると、あまり健全な状況とは言えません。またMicrosoft 広告が存在感を出していくことは業界の成長や多様なソリューションの選択肢となり、ひいてはお客様の課題を解決することにつながると考えています。

ユーザーのプライバシーとブランドを保護

──昨今、プライバシー保護の観点から各プラットフォームのデータ活用が厳しく問われています。Microsoft 広告では、どのような対策を取っていますか。

岡部:Microsoft 広告では、お客様のプライバシー保護を重視しています。ポイントは、AI技術を用いてご提供いただいたデータを匿名化・抽象化し、ターゲティングに利用する点です。

──プライバシー保護やデータ活用について、本当に厳格に定められていますよね。

岡部:そうですね。ユーザーの個人情報保護はもちろんのこと、ユーザーを欺く恐れのあるサービスなどは、厳格な掲載ポリシーで制限しています。あわせて、広告主様のブランドセーフティも重要視しています。

 政治信条など、センシティブなユーザー情報は、セグメントにも利用しません。マイクロソフトオーディエンスネットワークも、私たちが直接厳正に審査したパートナーのみと提携しています。さらに懸念がある場合は、任意のドメインを排除した広告配信が可能です。

既存の広告市場に挑むチャレンジャーとして、社会に貢献する

──Microsoft 広告の日本市場への参入から、2ヵ月が経ちました。お二人は、Microsoft 広告やマイクロソフトで働くことにどのような魅力を感じていますか。

岡部:現在のデジタル広告ビジネスは、検索エンジンやSNSを起点としたプラットフォームの広告が主流です。その点Microsoft 広告は、Windows、Microsoft Edge、Microsoft Bingをベースに、ユーザー層やプラットフォームの成り立ちが独特である点が興味深いと感じております。

 また、広告業界に対しては、チャレンジャーの立場であることも刺激的です。広告事業の成功へ向かって一人ひとりがオーナーシップを持ち、スピード感と拡張性を体感しながら仕事ができていることは、今のタイミングならではの醍醐味ですね。

金田:確かに、Microsoft 広告のチームはチャレンジャーです。いろいろな経歴を持つメンバーで組織化された、エキサイティングなチームなので今後が楽しみです。

 そしてマイクロソフトで働く私たちは、地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにするという企業ミッションのもとで日々活動しています。プラットフォーマーとして、大きなインパクトを与えられる可能性を持っている。そのような機会に恵まれ、とても幸せです。

──大企業として成熟した環境と、チャレンジャーという立場の両方があるのですね。

金田:その通りですね。また、マイクロソフトが大切にしている企業文化の1つが「Growth mindset」です。向上心を持つ人には、成長機会がいくらでもある環境ですし、お客様の期待を超える新しい価値の創造を目指した「Customer obsessed」を実現するため、「One Microsoft」として同じチームだけではなく、部署を超えて課題解決に取り組む意識が根付いています。

岡部:私たちのところにも、他の事業部から「Microsoft 広告について教えてほしい」「一緒に何かできないか」といった相談が来ています。One Microsoftとして、お客様へ優れたソリューションを提供していこうという意識の高さを感じています。

積極的かつ柔軟性の高いチームで、広告事業の成長を目指す

──今後も順次組織を拡大する予定だと伺いました。どのような人が、活躍できるチームでしょうか。

岡部:決められたやり方にとらわれず、自発的にチームに新しいやり方を提案していくような人なら、必ず活躍できる環境です。これまでに得た知識や経験を柔軟にアップデートしていくことを楽しめる人にとっては、非常に多くの成長機会に恵まれた環境だと思います。

金田:成熟しきっていない組織の中で、自分だけではなく組織全体をどう良くしていくかを考えられる人にぴったりの職場です。「この方法が定説だけど、こんなやり方もどうでしょうか?」といった、自分の考えや答えを持って、他者とコミュニケーションしながら、より良い方法を見つけ出せるプロアクティブな人と一緒にチームを大きくしていきたいです。

──最後に、今後の展望を教えてください。

岡部:2022年の年末までには、日本のアカウントから、世界150カ国以上で展開するMicrosoft 広告に対しても、広告配信ができるように準備を進めています。

 そして、新しい広告フォーマット、ターゲティングオプションなどの開発も鋭意進めており、商品の認知から購入に至るまでのプロセスを網羅できるソリューションを順次ご提供していく予定です。広告主様、代理店様の多様なニーズにお応えできるよう体制を整えていますので、ぜひMicrosoft 広告にご期待ください。

Microsoft 広告のチームメンバー
Microsoft 広告のチームメンバー

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/16 11:00 https://markezine.jp/article/detail/39406