あらゆる部署が活用できるダッシュボードを作成
様々な指標を「同じ見た目で全員がいつでも最新データを閲覧できるように」との考えから酒井氏が作成したのが、Marketing Cloud Intelligenceを活用したダッシュボードだ。
「OverView」では上欄に各ブランドのカテゴリーとして「ガム」「チョコレート」「ビスケット」「アイス」などのタブとブランドのタブを配置。カテゴリーとブランドを選択すると、最上部には「出荷実績」や「POSデータ」が、さらに下へスクロールすると前述のSNS投稿数や検索、またテレビCMの注視率、パブリシティなど、各指標とその結果が続く。
ロッテではこのダッシュボードに、仮のKPIツリーでまとめた指標を一元化しているという。さらに、外部の分析ツールとAPI連携することで「ほぼすべてのデータ更新の自動化を実現している」と酒井氏。
「Twitterの投稿数やテキスト解析には『Social Insight』を活用しています。デジタルアド系のデータやアクセスログは『Treasure Data』上で一元管理しているので、Treasure Dataとも連携してダッシュボード上でサイトアクセス数やWeb広告のクリック数などを見られるようにしました」(酒井氏)
これだけでもマーケティングや広告・宣伝、ブランド担当者の業務改善には十分な成果がありそうだが、コミュニケーションの最適化のゴールは「あらゆる部署の担当者がこのダッシュボードを通じて業務改善が図れること」にあるという。
経営者層であれば「財務指標を確認したい」営業部門の担当者であれば「店頭における商品の展開状況が見たい」など、部署ごとにニーズが異なる。酒井氏らはそれぞれのニーズを満たせるUIの設計に腐心。その結果、売上検証やテレビCM、外部メディア、オウンドメディア、店頭露出など多くの切り口から、より詳細なデータをダッシュボード上で見られるようにした。
全社での活用を見据えて数多くの指標を盛り込めたのは「自社で開発したからこそ」と語る酒井氏。これほどの指標を網羅したダッシュボードを外注しようとすれば、ロッテの社内にどういったデータが蓄積されているのかをまず知る必要があり、さらにそれを外注先の担当者に伝えるところから始める必要があるからだ。
導入メリットはサポートの手厚さにあり
セッションの後半、ファシリテーターを務めるセールスフォース・ジャパンの中谷卓洋氏が登場。酒井氏に質問を投げかける。
中谷氏がMarketing Cloud Intelligence導入後に感じたメリットを質問すると、酒井氏は「セールスフォース・ジャパンのサポートの手厚さ」と回答し、次のように説明する。
「私を含めチームメンバーのほとんどがデジタル部門の出身ではないため『ツールベンダーの担当者とコミュニケーションがうまくとれないのでは』と懸念していました。過去に別のツールベンダーの担当者と話がかみ合わなかった経験があったからです。その点、セールスフォース・ジャパンの担当者さんとは非常にスムーズに話ができました」(酒井氏)
現在は「このダッシュボードを様々な部署に“布教”しているところ」と語る酒井氏。その結果、宣伝チームではダッシュボード上のある指標に着目し、改善に向けて動き始めているという。「宣伝チームのみならず、ゆくゆくはマーケティング部全体にダッシュボードが浸透するよう社内啓蒙を進めていきたい」と語り、講演を締めくくった。
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