フードデリバリー、76%のユーザーが利用頻度増加
次に、コロナ禍の外出自粛の中で急速に浸透したフードデリバリーについて見ていく。

2022年6月にZaimユーザーに実施した「お買い物についてのアンケート(N=3,729)」において、コロナ前と比較したフードデリバリーの利用頻度が「増えた」「やや増えた」と回答した人は76%となった。ファストフードなどデリバリーサービスとの親和性が高いジャンルが堅調に推移していたと前述したように、こちらも生活の中に浸透している様子がわかる結果となった。

実購買データにおいても、緊急事態宣言が発出されるような感染拡大期で特に利用額が増える傾向が見られた。2020年に入ってからフードデリバリープラットフォームのラインアップが拡大するとともに、ゴーストレストランなどフードデリバリー専用のお店も出現。デリバリー食卓の選択肢が拡大していった。コロナ前と比較すると1人あたりのフードデリバリー月間平均支出額も増加の傾向にあり、利用機会の増加や1回あたりの支出額の増加が伺える。
ガストとロイヤルホスト、ロイヤル層の違いは?
ここからは、主要外食ブランドを利用している顧客像を、ロイヤルティと世代の切り口で分析していく。
ロイヤルティについては、ブランドを利用している回数(量層)と、そのブランドが属する外食ジャンルの中でブランドを利用している比率(ロイヤルティ)をクロス集計し分析した。グラフの右上に行くほどロイヤルティが高くそのブランドの利用回数が多いセグメントとなり、逆に左下に行くほどロイヤルティが低くそのブランドの利用回数も少ないセグメントとなる。

集計対象期間:2022年1月~2022年6月
・ロイヤルティ判定基準
※期間中に各外食ジャンルの中でそれぞれのブランドが利用された回数の割合
Hi:50%以上
Med:20~50%未満
Low:20%未満
Light:当該ブランドの利用回数が3回以下
・量層判定基準
※期間中にブランドを利用した回数
H:24回以上(週1回以上)
M:6回以上(月1回以上)
L:2回以上(3ヵ月に1回以上)
LL:1回(半年に1回)
人数構成比を%で示し、各セグメントの支出総額を円の大きさで表現
ガスト(N=17,663)・ロイヤルホスト(N=4,564)・ドトールコーヒー(N=17,334)・コメダ珈琲(N=13,372)
まず、ファミリーレストラン大手のガストとロイヤルホストを比較する。構成比の分布は似通っているが、ガストのほうがややロイヤルティの高い層が多い。


各ブランドのロイヤル層の属性とブランドの利用シーンについては、ガストのほうが単身世帯・若年男性層に利用されている比率がやや高い。一方ロイヤルホストのほうが、都市部に多くロイヤル層を抱えている。

利用時間帯では、お昼ご飯と夜ご飯の時間帯にピークを迎えることは各ブランド同様だが、夜ご飯のピークはガストが19時頃なのに対して、ロイヤルホストは20時頃と少し遅めであった。また、いずれのブランドも平日より休日利用が中心であった。ロイヤルホストは、ファミリーレストランの名の通り家族の団らんを目的としたゆったりと食事をする場として利用されることが多いのかもしれない。