検索エンジン系のマーケティングツールとコンサルティングを展開
MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは皆さんの簡単なご経歴と現在の業務、ミッションなどについてお教えください。
大澤:GMO TECHは、GMOインターネットグループの集客領域を担う上場会社の一つで、SEOやリスティング、MEOなど、検索エンジンに寄り添うようなビジネスモデルの中でコンサルティング事業やアプリプロモーション全般を得意とする集客支援を行う会社です。
最近では、SEMマーケティング領域のナレッジを活かしたツールの開発・運用まで事業を展開しており、私はセールス、カスタマーサクセス、開発、運用を統括する立場です。
山本:私の場合、MEO施策からツールの開発、カスタマーサクセスが主な業務領域です。営業部が獲得してきたお客様の対応をしていく上で、如何に顧客満足度を高めていくかを最大のミッションとしています。実際には、カスタマーサクセスから吸い上げたお客様の声を商品に反映させ、ツールの利便性を高めるような取り組みを行っています。
樺島:私のミッションは主に営業です。今期からはマーケティング、管理、サポートについても一部担うようになりました。当社では、ツールを売る専門部隊とコンサルティング施策を売る部隊を分けていて、それぞれスタイルが少し異なります。
ツールに関しては最初に課題感を聞いて、解決に向かうためにツールの使い方を提案するようなスタイルです。一方コンサルティングは中小企業のお客様も多く、そもそも課題がわかっていないケースが多いため、こちらがリードしながら課題を深掘っていくような進め方になります。
MEO施策はSEOよりも費用対効果が高い
MZ:情報収集の手段としてマップにおける検索は広く浸透しています。企業のマーケティング活動においてもSEOならぬMEO(Map Engine Optimization)への注目度が高まると考えられますが、貴社ではその重要性をどのように理解されているでしょうか?
大澤:InstagramやTikTokの活用によって、認知獲得は比較的容易に行えるようになりました。しかし、パーチェスファネルにおいて、認知が直接購買行動につながる訳ではありません。顕在層は、購入前に必ず何らかの形で検索行動を通して情報収集をするためです。
以前の情報収集といえば、検索して検索結果画面の上位サイトからリンクを踏み、遷移先のWebサイト上で情報を得るのが主流でした。ところが、Google検索の進化により、現在ではナレッジパネルなどを通じて、検索結果画面の時点で情報を得られるようになりました。そんな中、2017~18年頃に出現したのが、検索結果画面に地図を表示させる「ローカルパック」です。
ローカルパックには、場所や営業時間、口コミなどの情報が掲載されており、しっかり運用すれば商品メニューやキャンペーン情報なども表示できます。つまり、Webサイトに誘導する前段階でユーザーの意思決定を促せる訳です。
ポータルサイトが台頭する現在においてSEOの難易度は高く、「渋谷 居酒屋」などのキーワードで順位を上げるためには多くの労力とコストを必要とします。
一方、実店舗がある状態でMEOに注力すれば、届けたいユーザーにきちんと情報を届けることが可能です。MEOは他の集客方法と比較してコストが安く、現在では最も費用対効果の高い手法といえるのではないでしょうか。
樺島:最近の事情でいえば、コロナ禍もMEOの追い風をとなりました。自粛ムードで遠出を避け、近場でお店を探す層が増えたためです。
大澤:コロナの影響で時短営業や不定期営業が増えた際、ポータルサイトでは営業時間の更新が追いつかなくなりました。そんな中店舗情報をフレキシブルに更新できるGoogleビジネスプロフィールのニーズが増し、結果としてMEOの重要性も高まったといえます。