アプリログデータから見えた「TikTok売れ」の要因
調査からTikTokはYouTube、Twitter、Instagramといった動画・SNSアプリと比較すると、ユーザー規模や市場時間シェアは小規模であるものの、20代以下の若年層の約20%がTikTokを利用しており、若年層の利用の定着が進んでいることが明らかになりました。これに加え、ユーザーの利用動態を確認すると、TikTokは就寝前や休日の午前中などの空き時間に活発に利用されていることがわかりました。
これらの調査結果から、「TikTok売れ」の背景には、TikTokがSNSを活発的に利用する若年層に普及したことと、他の動画・SNSアプリにはないTikTok独自のメディア特徴が有効に働いたことが考えられます。TikTokは、アテンションを集め記憶に残りやすい「縦フルスクリーン動画」の媒体であり、またハッシュタグや独自のコメント機能により、ユーザーの配信やコメントが活発であることが特徴的です。これらの機能により、ユーザーのインプットとアウトプットが円滑に行われ、このサイクルがSNSを頻繁に利用する若年層に浸透したことで、TikTokでヒットしたコンテンツがYouTubeやInstagramなどにも拡散され、「TikTok売れ」が発生したと考えられるのではないでしょうか。
今回、マクロミルのアプリログデータ「A-cube」を用いて、動画配信プラットフォーム「TikTok」の市場規模とアプリ利用動態から「TikTok売れ」の背景について分析しました。次回の「データで読み解く」では全国3万人に約130ジャンルに及ぶ、所有/嗜好ブランドなどを聴取し蓄積しているマクロミルの「ブランドデータバンク」を用いて、「TikTok売れ」の原点となるTikTokユーザーのプロファイルを明らかにしていきます。
【A-cube(アプリログデータ)調査概要】
調査方法:スマートデバイスのアプリケーション利用ログを収集
調査期間:2021年6月・2022年6月
調査対象:Androidデバイスを保有する全国15~69歳の男女
最大サンプル数:n=48,038(※各月変動)
「A-cube」詳細サイト
- 本文の数値はマクロミルが独自に推計したスマートデバイス・インターネット利用人口にウエイトバック処理を行っています。
- 本文の数値は四捨五入した値を表記しています。
- 百分率表示は四捨五入した値のため合計が100%とならない場合があります。
