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獲得キーワードが5倍!マンガアプリ「comico」に聞く、攻めと守りのアプリマーケティング

 星の数ほどあるモバイルアプリ。アプリストアの中でいかに獲得単価をおさえてダウンロードして使ってもらうかは各社の課題だ。マンガアプリ「comico」を展開するNHN comicoは、アドウェイズの提案により、App StoreのApple Search Adsについて運用へと舵を切った。その中で、全自動マーケティングプラットフォームUNICORNを採用。開始3ヵ月で潜在キーワードを5倍にすることに成功し、成果にもつながっているという。本記事では、NHN comicoの浜野美穂子氏、アドウェイズの日髙智也氏、UNICORNの横山裕治氏の3名に、comicoのアプリマーケティング戦略とApple Search Ads活用のメリットについて話を伺った。

モバイルに特化したマンガアプリ「comico」

──現職の担当業務を教えてください。

浜野:マンガアプリ「comico」を開発・運営するNHN comicoで、アプリ内の広告を販売する広告マネタイズとアプリのプロモーションを担当している浜野と申します。

日髙:アドウェイズの日髙と申します。マンガ関連の企業様を中心に、広告主様のフロント営業としてプロモーションの支援をしています。

横山:UNICORN社の横山です。弊社は全自動マーケティングプラットフォーム「UNICORN」を提供しており、Apple Search Adsの配信における最適化も行っています。その中で、私はApple Search Adsの領域でNHN comico様をはじめとしたキャンペーンの運用や、プロダクト開発に携わっています。

──comicoのサービスや特徴を教えてください。

浜野:comicoはスマートフォンに特化したマンガアプリです。縦スクロール、フルカラーの作品がメインです。タイトルは常時600本ほどあり、それ以外に出版社のマンガも読むことができます。iOSとAndroid、Webに対応しており、世界累計ダウンロード数は4,200万を超えています。

 男女比は8対2で女性が多いのが特徴です。カテゴリーとしては、最近人気な「異世界ファンタジー」系のマンガが充実しており、このカテゴリーが好きな方に愛読いただいています。

速報値に合わせてクイックな広告プロモーション行うcomico

──comicoのデジタルマーケティング戦略について教えてください。

浜野:現在comicoのWebプロモーションは、本社のある韓国NHNと日本ではアドウェイズ様にお任せしており、我々はサービスに紐づいたBIツールで継続率や課金率をモニタリングしています。

 広告予算は、作品ごとに期待値をつけて各月ごとに組んでいます。期待値はcomicoの編集担当がつけていて、速報値ベースでクイックに調整してプロモーションに活かしています。

──アドウェイズ様、UNICORN様を検討した理由はどこにあったのでしょうか。

浜野:獲得単価の上昇という課題が大きなきっかけです。comicoは10年目を迎えていますが、2013年のサービス開始当初は無料のマンガアプリというだけで安く・多く獲得できました。ですが、ここ数年は獲得単価が右肩上がりで増えています。新しい媒体や取り組みなしには改善が難しいと感じておりました。

浜野
NHN comico株式会社 事業管理本部
プロモーションチーム マネージャー 浜野美穂子氏

浜野:2021年12月ごろに、アドウェイズ様に声をかけさせていただきました。

 それまで我々は、グループ内のエージェンシーのみでプロモーションを進めてきました。しかしコンテンツの特性上、バナーの制作に工数がかかり制作本数にも限度がありました。また昨今の獲得単価の上昇も課題として浮上し、マンガコンテンツに強い日本の代理店と組むことを考えていました。

 媒体としてUNICORNを試したいという声が社内にあったので、アドウェイズ様に声をかけました。実際にご相談したところ、提案の質も量も素晴らしくアドウェイズ様にお任せすることがすぐに決まりました。

新しい獲得手法を模索するため、Apple Search Adsにトライ

──comico様の課題に対し、どのような提案をしたのでしょうか。 

日髙:獲得単価はもちろんですが、どのように広告媒体を広げていくかがポイントだと思い、Apple Search Adsの検索結果広告を提案しました。Apple Search Adsの検索結果広告は、App Store内でユーザーがキーワード検索した際に表示される広告で、指定のキーワードを直接買い付けるため興味のあるユーザーにアプリ広告を表示できます。

 マンガアプリのプロモーションは、マンガのコマを使って作成したクリエイティブが多く、カルーセルなどで配信していきます。この場合、ディスプレイやSNS媒体の比重が大きくなるので、検索型でテキストを活用した広告という新しい獲得軸を持ち、全体の広告配信の効率化を図るご提案をいたしました。

日髙
株式会社アドウェイズ ビジネスデベロップマネジメントグループ
アカウントマネジメント第一ディビジョン 日髙智也氏

浜野:実はApple Search Adsは初挑戦ではなく、2018年に4ヵ月ぐらい試したことがありました。当時Apple Search Adsはまだ新しく、グループ内のエージェンシーで運用しました。その当時はトラッキングがしっかりできており、他のメディアと比較するとROAS(広告の費用対効果)が低かったため、停止したという経緯です。その時の印象は、安く獲得できるが質はあまり良くない、というものでした。

 ただ4年前のことなので、状況も変わっていると思い再度トライすることにしました。

日髙:App Store自体もプロダクトアップデートが行われており、ストア内でのユーザーの動きが重要になってきています。以前Apple Search Adsを試されたとも伺っていたので、ブランドを守るという観点も含めて小さく始めるご提案をしました。

横山:せっかくユーザーが自社ブランドを検索しても、他のアプリの広告が表示されるとそちらに流れてしまう可能性があります。comico様も、ブランド保護の観点で、一定数のユーザーの流出を防ぎつつ、他のキーワードにも広げながらユーザー拡大を進められるのが良いのではないかと考えました。

キーワード自動収集により広げて絞り込むアプローチが可能に

──具体的にどのような配信を行ったのですか。

日髙:横山さんの話にあったように、潜在ユーザーと顕在ユーザーに適切にアプローチしました。UNICORNには、自動最適化とキーワード自動収集という機能があり、機械学習を活用することによる人知を超えたキーワード群の買い付けすることができます。

横山:UNICORNでは、潜在的な可能性を含めてリーチを広げ、そこから配信結果を元に最適化していきます。そのため、良い意味での想定外のキーワードでも獲得できる場合があります。

 comico様のキャンペーンでは、スタート時は大きく広げずに慎重に配信を進め、配信結果が順調に推移し始めたところで、キーワードの自動収集も行いながら配信規模を徐々に拡大していきました。

横山
UNICORN株式会社
Senior Business Development 横山裕治氏

──comico様は、以前のApple Search Adsの運用と比較してどのような点が違うと見ていらっしゃいますか。

浜野:4年前に実施した前回は、担当者が韓国におり、言語の壁だけでなくリーチを広げる難しさがありました。今回は、自動でキーワードが収集されるので手間がかからず、かつ拡大していけるところは大きな違いになったと感じています。開始してすぐに獲得単価が良かっただけでなく、ブレも少なかったので、配信の拡大を進めました。

 バナーなどのクリエイティブ制作は版権などの関係もあり、工数が大きな作業になっています。Apple Search Adsはテキストがメインになるので、そのような工数が一切かからないという点で、担当者としては嬉しい媒体です。

 また他のSNS広告の場合、作品ごとに決め打ちでクリエイティブ制作を行うため、マンガアプリ全体のトレンドとして捉えきれていないところがあります。UNICORN様のApple Search Ads配信ではターゲットをあまり絞らずに、マンガ系のキーワードを収集していただきました。結果を見ると、予想しなかったようなキーワードで獲得できることも多いです。

獲得できるキーワード数が5倍に拡大

──どのような成果が得られたのでしょうか。

日髙:数値としては、KPIを達成できています。他の媒体と比較してもそん色なく、月によってはUNICORNの方が効率良く獲得できる月もあります。流入経路を検索面に広げることができているので、comico様のユーザー獲得増加に寄与できているのではないかと見ています。

横山:コンバージョンが取れているキーワード数が配信当初は60程度だったのが、開始約3ヵ月で300ワードにまで拡大できました。ブランドワードだけではなく、潜在ユーザーを拾っていけるようなキーワードにも拡大し、マンガ関連のキーワードを中心に様々なキーワードに配信できている点が、comico様が継続的に安定して配信できている要因だと分析しています。

──comico様はどのような気づきがありましたか。

浜野:キーワードレポートを見せていただくと、自動で最適化されているのが実感できます。我々の中でApple Search Adsは、獲得単価が安く一定のボリュームを取ることができるので、優等生のような存在です。同時にマンガアプリ全体のトレンドも見ることができます。毎回、こんなワードが上がってくるのかと発見も多いですね。

 現在は、マンガというカテゴリーで見るApple Search Adsと、カテゴリーや作品での決め打ちで進めている他の施策の両輪になり、バランスが取れてきたと感じています。しっかり数と質を担保いただいているという下支えができたので、次は別のメディアを試してみようとか、クリエイティブの切り口を変えてみようといった、チャレンジできる余裕が出てきています。

──成果につながったポイントはどこにあったとお考えですか?

日髙:属人的なApple Search Ads運用では、ブランドキーワードに偏重する傾向があります。それでは本質的な意味でApple Search Adsの価値を最大化できないと我々は考えています。ただ、一定自社ワードを検索したユーザーが他サービスに流れている可能性はあると考えていて、ブランドキーワードの保護は絶対に必要だと考えているため、ブランドキーワードで一定の入札をかけて配信をして保護しつつも、非ブランドキーワードで獲得を最大化するというところのバランスが成果につながった1つの要因だと分析しています。

横山:マンガ業界においては、ビッグワードの競争率が高く、そこだけを狙って買い付けに行くと単価が高くなりがちです。

 獲得の目標単価を目指すためには、ビッグワードは競合の入札のすき間をぬって可能な範囲で配信しつつ、効果が合いそうなその他のキーワードをいかに見つけて効率良く配信していけるかがポイントだと考えています。そのような、適切な入札単価の調整やキーワードの収集の面でUNICORNの自動最適化配信の強みを活かせているのではないかと思います。

ROASに注目し、質も担保する配信を目指す

──今後の展望・展開を教えてください。

浜野:引き続き配信していくことに加えて、今後は質の面も見ていきたいと思っています。システム面で深い連携をし、ROASに最適化したPDCAの回し方ができればさらに深いプロモーションができると期待しています。

日髙:App Storeの新しい機能がcomico様の成長につながる部分もあると思うので、浜野様にご紹介しながら進めていきたいですね。

 Web広告全体として、プライバシー保護の動きにより広告の評価が難しくなっている状況があります。同時に、マンガアプリ市場が大きくなっているからこそ、クリエイティブを使った獲得、検索面からのアプローチとフルファネルでの広告配信が重要になってきています。どのような対策が有効なのかを浜野様と話し合いながら、comico様のマーケティングをお手伝いしていければと思っています。

横山:UNICORNのプロダクトでは現在は、インストールベースの効果を見て最適化をかけていますが、今後はインストール後のデータも活用した最適化を目指してプロダクトをアップデートしていく予定です。

 Apple Search Ads自体も最近Todayタブやプロダクトページの広告配信枠が追加されました。Todayタブ広告を使えば、アプリがApp Storeのトップページに目立つように表示され、App Storeにアクセスしたユーザーが最初に目にするコンテンツとなります。またプロダクトページ広告を使うと、関心を持つユーザーが、App Store全体で異なるページを閲覧しているときにアプリを宣伝することができます。新規の枠も含めて全般的に最適化することで、iOSアプリのマーケティングに不可欠なプロダクトにしていきたいと考えています。加えてアドウェイズとも連携しながら、Apple Search Ads活用を最大化できるようにご支援していきたいですね。

UNICORNについて詳しく知りたい方へ!

UNICORNの全自動運用の仕組みと最適化のアルゴリズムを応用させた「Apple Search Adsの自動最適化エンジン」を活用し、Apple Search Adsへの配信・運用を行っております。本記事でUNICORN に興味を持たれた方は、UNICORNの最新情報はこちらでアップしておりますので参考にしてみてください!

サービスに関するお問い合わせはこちらから。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/02/06 11:00 https://markezine.jp/article/detail/40765