博報堂
2022年を振り返って
世界情勢不安定化にともなう原材料高、円安などの環境変化に生活者も企業も揺れた一年でした。生活者は、「家計防衛意識を高めつつも、3年ぶりに新型コロナ禍による自粛がない生活で財布の紐を緩めたい」という相反する感情の中で揺れていました。そうした中、企業も不透明な経済環境の中、足元の利益確保を進めることを優先しつつも、いかに生活者に選ばれる”強いブランド”になるかを模索し続けた一年だったと感じています。
2022年ほど、アクセルとブレーキの踏み加減に高度なバランス感覚を求められた一年はなかったのではと思います。2022年は両方の視点でのご相談・ご支援が中心でした。また、急激な環境変化によって本業の収益が圧迫される中、本業以外の新収益/新事業開発を活性化させたい=変わらなければという意志がより強くなっており、事業・サービス開発などの案件にも力を入れました。
2023年に向けて
引き続き、「攻め」と「守り」の高度な融合を求められる企業を支援して行きたいと思います。博報堂は、2021年に小売業・メーカー企業の販促・コマース領域のDXを支援する戦略組織「ショッパーマーケティング・イニシアティブ」を立ち上げました。博報堂が長年ご支援をしてきた生活者向けの「ブランドマーケティング」に加えて、小売業向けの「トレードマーケティング」領域にも拡張をしています。
不透明な経済環境だからこそ、小売業・メーカー企業の売上成果を高めるためには、マスコミュニケーションから、店頭に商品を陳列してフェースアップをするところまで、一気通貫でやり抜くことが重要だからです。そして、その中心には生活者(ショッパー)がワクワクする買物体験の創出を忘れずに置きたいと思います。生活者、小売業、メーカーの三者が「三方よし」になれる世界を目指して、着実に成果につなげていく。そんな一年にしたいと思います。
博報堂
ショッパーマーケティング事業局長
徳久真也氏
外資系経営コンサルティング会社を経て、2005年に博報堂入社。流通・消費財メーカーを中心に、マーケティング戦略立案、ブランディング、クリエイティブ開発、データドリブンマーケティング、新規事業・サービス開発等に従事。2021年より現職。博報堂DYグループ9社横断戦略組織「ショッパーマーケティング・イニシアティブ」リーダー。カンヌライオンズ2022「クリエイティブ・コマース部門」審査員。

