「心身ともに健康になる」ことに特化したリゾート施設
──今回はリゾート施設のV字回復の裏側と、ウェルネス関連のインサイトについてお伺いしていきます。最初に自己紹介をお願いできますか。
小林:nobitelの小林良輔と申します。弊社はDr.stretchというストレッチ専門店を国内外合わせて219店舗(2022年12月時点)を運営している会社です。その他にも、健康分野にスポーツとITを組み合わせて、色々な事業を展開しております。私は、鹿児島県の奄美大島の最南端にあるウェルネスリゾート「THE SCENE」で、ホテルの支配人を務めております。
──ウェルネスリゾートとは何なのでしょうか。
小林:「滞在を通じて健康になることを目的とし、体と心を整えていく」ことがウェルネスリゾートのコンセプトです。元々海外にはヘルスツーリズムという考え方があり、観光庁でも「自然豊かな地域を訪れ、そこにある自然、温泉や身体に優しい料理を味わい、心身ともに癒やされ、健康を回復、増進、保持するもの」と定義されています。
近年では健康志向の高い方々を中心に国内外で「ウェルネス」がトレンドワードとなっており、それに宿泊と組み合わせた「ウェルネスリゾート」にも注目が集まっています。
当施設ではヨガ・ストレッチ・マッサージといった「リラクゼーションプログラム」のほか、クルージング・ダイビング・アーシングなどといった、自然に癒やされる「ネイチャークレンズプログラム」を提供しております。時期にもよりますが、50プログラムほどを常時取りそろえております。
──すごい数のプログラムですね。
小林:そうですね。お客様には、ご宿泊の間に数あるプログラムの中からいくつか選んでいく形を採用しています。
「ウェルネス」が世の中に広まってきている
──昨今の健康志向の高まりをどのようにとらえていますか。
小林:医療的な健康ではなく、心と体の健康、生活環境や社会的な健康を指す「ウェルネス」の認知や認識が生活者の中でも浸透してきているのを実感しています。コロナ禍を通じて健康について見直す人も多く、一般の方々や、健康に関してあまり考えたことのなかった方々にも「ウェルネス」に対する意識が芽生えています。
2021年からウェルネスリゾートとしてPRを強化していますが、2022年の始めからはメディアでも「ウェルネスリゾート特集」が組まれ出したほか、「ウェルネス○○」とつく企画が増えてきています。本格的なウェルネスブームが「やっと来たか」というのが正直な感想です(笑)。