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リピーターが7倍に急増しV字回復!ウェルネスリゾート支配人に聞く、ヒットの裏側

赤字1億円。お客様の声から「ウェルネスリゾート」に大転換

──リブランディングのきっかけを教えてください。

小林:2015年の9月にオープンしたのですが、すぐに赤字が1億円に膨らんでしまい、何か打開策がないかと思って探していました。

 毎朝ガーデンでヨガを行っているのですが、ある日ヨガの終了後に号泣している女性がいまして。泣いている理由を尋ねたところ、「大自然の中でヨガができて思わず心が浄化されました」という言葉をいただいたんですね。それがきっかけで、自然のパワーを感じながら心と体を元気にするウェネルネスリゾート施設にしようと決めました。

──そこでウェルネスリゾートに転換したのですね。

小林:はい。2016年にコンセプトの変更を行いました。まず「ネイチャークレンズ」というプログラムを立ち上げ、ヨガやストレッチ、リラクゼーションなど様々なアクティビティを開発していきました。

ネイチャークレンズとは、大自然の中リラックスして過ごすことで、心・体・脳を浄化し感性を研ぎ澄ませて自分を感じることを指す。
ネイチャークレンズとは、大自然の中リラックスして過ごすことで、心・体・脳を浄化し感性を研ぎ澄ませて自分を感じることを指す。

小林:ヨガがダントツの人気ですが、クルージングも負けないくらい大人気です。弊社は船を3隻持っているので、ザトウクジラ・ウミガメ・サンゴなど季節折々で生き物が見られます。体を動かした後、自然を体全体で感じることで、お客様の心と体の健康を整えることを目指しました。

 プログラムを立ち上げた当時は「ウェルネス」「リトリート(日常生活から離れてリフレッシュする時間)」という言葉も一般的ではありませんでした。そのため「ウェルネスホテル」と検索してもほとんどない状態でした。しかし、海外では多くのウェルネスホテルがあることを知り、「ウェルネス」の言葉が広まれば可能性があると思い、大きく舵を切りました。

冬にはザトウクジラがやってくる
冬にはザトウクジラがやってくる

深いウェルネス体験に触れ、リピーター率が7倍に向上!今後は成功体験を全国に

──結果、どのように変化しましたか。

小林:2017年にリトリートツアーをリリースした際の成功で手ごたえを感じました。リトリートツアーとは、日常と離れた自然あふれる空間でヨガなどを行い、体と心のバランスを整えるツアーです。高価格帯のツアーでしたが、広告を出すことなく一気に完売しました。主にヨガなどを行うインフルエンサーさんやそのファンの方に喜ばれました。

また、コンセプトの変更と共にスタッフへのKPIも刷新しました。今まで売り上げベースで判断していたものを完全撤廃。有料のプログラム、無料のプログラム問わず、いかにプログラムに触れ、健康体験を深くしていただくかに注力してしました。

 こうした結果、売り上げもV字回復を果たしました。リピーター率が7倍に向上したほか、スタッフとお客様の距離が縮まりました。スタッフのファンとなるお客様も多く、「○○さんに会いに来ている」というお声もいただけています。

──今後の展望・展開を教えてください。

小林:コンセプトが変わるだけで宿泊施設の集客が復活だけでなく、宿周辺の産業も元気になっていきます。また、ウェルネスの先には身体的・精神的・社会的幸福を目指す「ウェルビーイング」という考え方もあります。ウェルビーイングを目指すことでより地域に根差し、自然を守る取り組みができていくと考えています。

 今、私たちの成功した体験を他のお宿さんでも同じことができるように「Wellness TRIP」というトラベル事業を開始しました。こうした取り組みを通じて日本や観光が元気になったらと考えています。

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この記事の著者

齋藤 ゆう(編集部)(サイトウ ユウ)

大学卒業後、広告代理店に入社しマーケターに。その後、事業会社に転職。金融・美容分野のマーケティング・企画・運営・セールスに携わる。2020年、翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/27 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40877

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