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MarkeZine Day 2025 Retail

ノバセル田部正樹の事業を成長させる“商売視点でのマーケティング”とは

ゼロイチで市場をつくるためにマーケターができること ベースフード齋藤氏×ノバセル田部氏対談

D2Cブランドの商品をコンビニに置く意義

田部:KPIは事業フェーズに応じてどのように変遷していったのですか。

齋藤:創業から「BASE PASTA」や「BASE BREAD」を出すくらいまではPMFを最重要視していました。その後はLTVをKPIに設定しています。ユーザー数の拡大だけでなく、LTVを伸ばし続けることが今後の成長に必要だと考えているからです。

BASE PASTAとBASE BREADの写真
(左)BASE PASTA(右)BASE BREAD

田部:マーケターとしてLTVの向上に貢献するため、どのようなことをされているのでしょうか。

齋藤:当社ではマーケティング部門の業務範囲にシステム開発も含まれているので、Webサイトの改修や配送ロジックの変更、ダンボールのリニューアルといったサービス改善にひたすら取り組んでいます。あとはチャネルの開拓です。全国約1万8,000店のコンビニに置いてもらっています(2022年12月現在)。ユーザーの利便性を上げることで、トータルのLTVを高めていけると考えています。

田部:Webで完結するD2C企業が多い中、リアルも取り込んでいった点はユニークだと感じました。小売店を挟むことにより、数字が見えにくくなったり意図しない形で消費されたりするデメリットも生まれそうですが、実際に販売されてみていかがですか。

齋藤:コンビニでの販売を開始したことで、購入層が一気に広がりました。それまではまとまった単位でしか購入できなかったものが、1袋~買えるようになったのは大きいです。コンビニ購入から定期購入への引き上がりも一定数あるので、ECだけの場合と比べてCPAは優位になると思います。

目標は遠くへ置き、ミッションには共感を

田部:お話をうかがいながら、齋藤さんが非常に広い範囲で事業グロースのための様々なレバーを握ってこられたことがわかりました。人によって握れるレバーの種類や数は様々ですが、齋藤さんのような発想に至るためにはどんなことを意識すれば良いのでしょうか。

齋藤:目標を遠くに設定することは意識しています。当社の場合、今期の売上目標は100億ですが、将来的に目標としているのは1兆円です。目標が遠いと「今の状況で最適化しても絶対たどり着かないな」と自覚できるので、ギャップを設けることは大事だと思います。

田部:なるほど。僕は圧倒的な成果を出すために「事業への熱狂や見えない未来を信じぬく力」が重要だと考えているんです。高い目標を掲げてフルスイングする齋藤さんのスタイルとも通じる部分があるなと思いました。

齋藤:僕も何よりグロースが大好きなので、ゼロイチで市場をつくることができたのだと思います。事業への熱狂という点では、代表である橋本の思いに対する深い共感が、ほかのメンバーに熱狂を伝える際の自信につながりました。当社に限らず、スタートアップ企業の多くはメンバー全員がミッションに共感している環境と言えるので、やりたいことが近しい人の中で働きたい方にはおすすめです。

田部:スタートアップでは「事業成長=ミッションに近づくこと」なので、両者が完全にアラインしていますね。

齋藤:圧倒的な成果を出すためには、自分が売りたいものを売れる環境に身を置くことが大事だと思います。「これは本当にお客様のためになっているのか?」という状態では、そこまでの力を発揮できないのではないでしょうか。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/01/30 07:00 https://markezine.jp/article/detail/40996

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