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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

WHO/WHATを解き明かす、上流マーケティングの10ステップ

“ターゲットが本当に求めているプロダクト"開発に必要な「コンセプト」をロジカルに作る思考法

STEP 9:コンセプトライティング

 下記のフォーマットに沿って、1ページでコンセプトを実際に書いていくプロセスであり、このアウトプットが展開していく製品やサービスの根幹となります。

 私自身のユニリーバでの経験として、多くの消費財メーカーはこのコンセプトのアウトプットまでに数ヵ月の消費者調査を要して完成させますし、何度も何度もコンセプトを書き直します。ここで顧客に受け入れられる強いコンセプトを書けるかどうかが、売れる製品を発売できることに直結します。

 D2CブランドやtoBのサービスであれば、このコンセプトがブランドサイトやLPでのファーストビュー等、最も伝えたいことに直結することになります。

(A)インサイト

(B)サービスや製品名および概要

(C)ベネフィット

(D)RTB(Reason To Believe)

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STEP 10:コンセプトテスト&ロック

 実際にライティングをしたコンセプトをテストし、最終化するプロセスです。

 STEP9でのコンセプトライティングでは複数のコンセプトをアウトプットすることが多く、最終的にどのコンセプトで進めるべきかチーム内で意見が割れることもあります。その際の判断としてはもちろん、そのコンセプトがターゲットに本当に受け入れられるかを改めて最終チェックすることは非常に重要です。

 可能であれば、コンセプト全体の印象を購入意向、推奨意向、市場での新規性などの観点で定量的に確認することをお勧めします。時間やコストにも限界があるので、再度デプスインタビューなどを実施して、実際にコンセプトを見てもらって反応を確認する方法でも良いと思います。インタビューの反応を見て多くの人が良い反応をしたり、想定している価格を払ってくれそうであれば、実際の製品開発に進めていくべきだと思います。

 反対に、ネガティブな意見がある場合は、そのフィードバックをもとに再度コンセプトをブラッシュアップしていく必要があります。一番危険なのは、実際の顧客に最終確認をせず、自社内でこれは大丈夫と思い込んで進めてしまったり、トライ&エラーで実際に進めながら改良していく方法に頼り切ってしまうことです。あらゆる製品やサービスは、顧客の視点によって価値が決まるので、多少のコストと時間を要しても、製品開発を進める前に正しいコンセプトをロックすることは非常に重要です。

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WHO/WHATのプロセスを終えて

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この記事の著者

木村 元(キムラ ツカサ)

株式会社Brandism
代表取締役

ユニリーバに2009年に入社。約12年間、ラックスやダヴなどのブランドマーケティングを経験。国内を中心とした360°のプロモーションから、グローバルのブランド戦略や製品開発まで、幅広く従事。ロンドン本社にてダヴを担当し、グローバル全体のブランド戦略設計をリードした後、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/23 09:30 https://markezine.jp/article/detail/41009

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