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リゾームマーケティングの時代

幸せは、ビジネスの成功の礎 「クオリティ・オブ・ソサエティ」の実現へ向けて


成長している企業の共通点

 私は過去の経験から、「幸せの技術」があると思っている。そして、ハーバード大学のショーン・エイカー氏の主張に完全に賛成で、幸せは成功の結果ではなく、幸せは「成功に先行する」。最初に幸せ、後から成功だ。

 私は、Googleを退職してから今のMicrosoftで働くまでの約13年間、基本的に、日本の広告主や広告代理店から仕事を頂き、コンサルタントとして働いた。そこで感じたのは、やはり、シリコンバレーの企業と日本企業の文化の違いだったのだが、一方で、「良い会社・成長している会社」には、似ている点も多いということだ。

 GoogleやMicrosoftなどの文化に似ている点とは何か? 私の感覚では、それは、社員を大事にするとか、社員の幸福を優先しようとする姿勢である。

 たとえば、「あらゆるマネジャーの最優先課題は、部下のしあわせと成功だ」というフレーズに共感する社長や経営者がいた。これは、Googleの元CEO、エリック・シュミットらの著書『1兆ドルコーチ』に、明確に書かれている。

 一方で、Microsoftで働き、最初に受けた研修は「Growth Mindset:Grow your business with a growth mindset(microsoft.com)」だった。そして、その背景には、あきらかに、一人ひとりの社員のポテンシャルを信じていて、それぞれが成長し充実して幸せに働くことで、組織も個人も成功するという思想がある。

「everyone can grow and achieve their full potential if they have positive, growth-oriented thinking.

  • A growth mindset inspires. It is the power to believe in yourself and grow through perseverance. In other words, you can accomplish anything you set your mind to with the right kind of effort.
  • Possibilities are limitless because you are not constrained by a pre-determined definition of talent or intellect. Failure is not a stopgap but an opportunity to learn and improve.」

 出典:Grow your business with a growth mindset(microsoft.com)

<意訳:誰もが成長し、最大限に潜在能力を発揮することができる。もし、彼らがポジティブで成長志向の考え方を持ち合わせているならば、だ。

  • グロースマインドセットは、人々を元気づけて鼓舞する。それは、自分自身を信じる力であり、自分を信じているからこそ不屈の忍耐で成長していく。言い換えれば、あなたは、あなた自身が心に決めたどんなことでも、あなたの正しい努力があれば、成し遂げることができる。
  • 可能性は無限である。才能や知性は事前に決められている訳ではなく、なんの制限もない。失敗は、一時的なその場しのぎにするのではなく、学びと改善の機会になるのだ。>

 あなたは、どんなことでも成し遂げることができる。CEOがそう語れば、「ワクワク」「ドキドキ」するものだ。心がトキメキ、前向きになれる。「ワクワク」「ドキドキ」というトキメキは、仕事において、とても重要なのだ。

 私は、日本企業にも、社員の幸せや成長を大事にしている会社はたくさんあると思っている。たとえば、経営コンサルタントの小宮一慶氏の書籍は、以下のように、「良い会社」を定義している。

「では、良い会社とは何か?それは、次の三つの要件を満たす会社です。1.お客さまに喜ばれる商品・サービスを提供して社会に貢献する会社。2.働く人が幸せな会社。3.高収益の会社。これらが同時にすべて揃っている必要があります。どれかひとつでも欠けていては、良い会社とは言えません。」—『社長の心得(ディスカヴァー携書)』小宮一慶著

 小宮一慶氏は大量に書籍を書いてて、彼の思想に影響を受けている経営者は多いと思う。

 多くの人が知っていると思うし、できる人は自然にできると思うのだが、世の中には「幸せの技術」がある。そして、仕事においては、「個人の幸せ」と「組織の幸せ」という二つの側面がある。

 冒頭に記した電通総研の仕事は、2018年から昨年末までの5年間。その間、「どんな境遇の人間でも、幸せで生きがいを感じられる社会」について自分なりに研究し、学んできた。まだ体系化できてはいないのだが、今後、電通総研の活動で学んできたことを、少しずつ、記事に書いていきたい。

 理想論かもしれない。だが、少しでも多くの人が、幸せで成功して欲しい。特に、メディア・広告業界の人たちは、幸せであって欲しい。でも、それだけじゃなくて、日本全体、そして、世界中に、少しでも幸せの量が増やせたら嬉しい。

 私は自分の過去の経験から、「感謝」は人生を変えると知っている。そして、仕事もうまくいくようになる。2023年、メディア・広告業界のすべての人々が、幸せでありますように。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/01/19 09:53 https://markezine.jp/article/detail/41017

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