SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

私のキャリア

心理的安全性を大事に、事業に合った働き方を。女性リーダーに聞くDE&Iの考え方と実践

 DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)は今、企業がしっかりと向き合うべきテーマになっている。働く女性はめずらしくないが、子育て層を中心に、いまだ制約が大きいのも事実。3月8日の国際女性デーに合わせて、P&GとFacebookでDE&Iに携わり、現在はMOON-Xの執行役員でベビー&マタニティブランドのD2Cを手掛けるケラッタ株式会社CEOを務める下村祐貴子氏にお話をうかがった。

グローバル企業を経てベビー&マタニティD2Cのリーダーに

――2022年8月、MOON-Xはケラッタを経営統合しました。MOON-Xは元Facebook代表の長谷川晋さんが中心となって立ち上げた、ブランド育成の会社ですね。まず、ケラッタの事業について教えていただけますか?

 ケラッタは2016年に長野県松本市を拠点に創業し、様々な商品を楽天やAmazonなどで販売しています。抱っこひもや昼寝用の布団、部屋に敷くプレイマットなどですね。親子で楽しめるクラフトキットなども展開しています。

 ご縁があって長谷川とケラッタの創業者が知り合い、統合の1年ほど前からパートナーシップの形を探っていました。私も正式にCEOに就任する以前より、直近の販売戦略から中長期的な方向性まで話し合ってきました。

 CEO就任前から進めていた人気商品「レジンミニスターターキット」の 企画は売上昨対比200%を達成した
CEO就任前から進めていた人気商品「レジンミニスターターキット」の 企画は売上昨対比200%を達成した

――下村さんのこれまでのキャリアについても教えてください。お子さんを育てながら、海外赴任もされていたそうですね。

 はい、P&Gのときですね。私は神戸出身で、神戸大を卒業して新卒でP&Gに入社し、パンテーンやSK-Ⅱなどの広報を担当しながら、ダイバーシティのスポークスパーソンなども務めていました。2007年に結婚して翌々年に長男を出産、その半年後に夫とともにシンガポールに赴任してSK-Ⅱのグローバル広報を務めました。6年の赴任期間で次男を出産しています。

 2016年に帰国したのですが、より社会課題に目が向くようになっていました。もう少し自分にできることがあるのではないかと思い、Facebook(現Meta)に転職しました。そこでは広報統括をしながら、ダイバーシティリードとして「無意識のバイアス」に気づきアクションをとる活動などを続けてきました。2020年にMOON-Xに参画し、今に至ります。

「無意識のバイアス」に気づくことが第一歩

――「無意識のバイアス」という言葉をしばしば聞くようになりましたが、どういった意味なのでしょうか

 人は皆、知らず知らずのうちに偏見を持っています。たとえば母親でもある女性社員に対して、子どもがいるからと配慮した結果、本人に相談せずに出張の機会を与えないのは、判断が偏っていますよね。もちろん、そのほうが嬉しい人もいるでしょう。まずはその人はどう考えているのか、会話することが必要です。

 大事なのは、想像力や共感力だと思います。自分の判断は独りよがりではないか、多方向からのアングルでいつも考える。それを皆ができるようになれば、いちばんいいですよね。自分がバイアスをかけていないかを確かめるには、私の場合は「もしこれが男性だったとしても同じ見方をするか」と考えたりします。

――なるほど。意識して別の立場ならどう考えるかを検討することが重要なのですね。では、DE&Iのあり方として、どういう姿が望ましいとお考えですか?

 理想は、多様であることが当たり前になって、誰も「ダイバーシティ」「DE&I」という言葉を使わなくなることです。その点で私がダイバーシティリードを務めていた当時のFacebookは世界に23億人のユーザーがいて、言語も習慣も異なる方々の生活を知らなければプラットフォームとして使っていただけない状況でしたので、そもそもの土台があったと思います。

――DE&Iを当たり前に浸透させるには、マネジメントや当事者の周囲の方々はどういった働きかけをしていくといいでしょうか?

 大前提は、当事者が自走してパフォーマンスを発揮している、あるいはそう心がけていることです。その上で、ポイントは2つあると思います。1つは、マネジメントが「無意識のバイアス」に気づき、皆にチャンスを提供したいと考えていることを、しっかりメンバーに伝えて自社の姿勢を示すことです。2つ目は、それを実現する制度や規則を定めることです。

この記事はプレミアム記事(有料)です。ご利用にはMarkeZineプレミアムのご契約が必要です。

有料記事が読み放題!初月300円キャンペーン中!

プレミアムサービス詳細はこちら
※初めてMarkeZineプレミアム個人会員をご利用のお客様に限り利用可能です。
※お一人様1回限り有効です。

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
特定の人が特別扱い、ではなく“誰もが”が重要

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
私のキャリア連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2023/03/20 15:01 https://markezine.jp/article/detail/41458

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング