ゲーム活用のメリットは「差別化」「活性化」「ファン化」
MZ:企業がマーケティングにゲームを活用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
丸山(セガ エックスディー):ゲーム活用のメリットは「差別化」「活性化」「ファン化」にあります。ゲームは生活に必ずしも必要なものではありません。しかし「気づいたらゲームに手が伸びていた」「知らず知らずのうちに長時間遊んでいた」という経験は、多くの方がお持ちではないでしょうか。つまり、ゲーミフィケーションは人が動くきっかけおよび仕掛けになりやすいのです。この特徴は、企業が抱える課題を解決し、顧客のロイヤルティを向上させ、離脱率や解約率などの低減施策に横展開することが可能です。
丸山(セガ エックスディー):さらに、離脱率・解約率の防止という短期的な成果のみならず「ゲームという固有の体験で他社との差別化を図る」「顧客と長期的な関係を築き、売上を安定させる」「利用者からのフィードバックを基に商品・サービスなどの価値を高め、新たな顧客獲得につなげる」などの長期的な効果も期待できます。
大賀(湖池屋):現に当社でもユーザーから頂戴した様々なお声を基に、施策をブラッシュアップしているところです。中には「農場のレベルが既に100に到達してしまったが、それ以上は発展させられないのか」とおっしゃる方もいます(笑)。そのようなご意見を踏まえてゲームの機能を拡充したり、クーポンの内容を工夫したりしています。
丸山(セガ エックスディー):ゲームで、ユーザーのロイヤルティ向上を狙える一方、ゲーム体験のみで大きな販促効果を得ることは難しいでしょう。ゲーミフィケーションにおいて重要なのは、他のマーケティング施策とクロスさせる視点です。今回の湖池屋さんの事例のように、ゲーム上でIPを活用したりクーポンを配布したりすることをおすすめします。
また、ゲーム体験中のユーザーに実店舗への来店を促す機能を実装している企業もあります。つまり、「購入」や「来訪/来店」といった行動を促す導線作りがゲーミフィケーションで成果を出す鍵なのです。
低コスト・低工数が決め手
MZ:今回、セガ エックスディーのGameBoxを活用することにした決め手を教えてください。
大賀(湖池屋):決め手はコストです。一からオリジナルゲームを作るとなると、掛かる費用は莫大なものとなります。また、工数もばかになりません。GameBoxでは人気のゲームジャンルのフォーマットが既に用意されているため、湖池屋FARM 大豊作!もサービス開発に着手してから約2ヵ月でローンチすることができました。CRM施策の一環としてゲーミフィケーションを本格導入するハードルは非常に高く、「まずは実証実験の形で進めたい」と思っていたため、コストと工数を抑えられた点はありがたかったです。
丸山(セガ エックスディー):GameBoxでは、既存のゲームジャンルをベースに、クライアントが希望するものをゲーム内とトンマナを合わせた形でデザインを変更することも可能です。ゲーム内に企業様オリジナルの世界観を構築する上で欠かせないIPについても、湖池屋さんのように既存のIPをお持ちでない企業様に向けて、当社でキャラクターを開発することも可能です。
GameBoxの場合、軽微な更新ならノーコードで行えるため、導入企業の担当者が「別で走らせているキャンペーンに合わせてゲーム内でもクーポンを配布したい」と考えた場合に、一人で実装することが可能です。