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【特集】話題化で終わらない、Instagram活用

質の高いファン育成を第一に、ブレないブランディングを実践 GLASSAGEのInstagram戦略

Liveだからこその熱量で「欲しい・買いたい」を高める

 たとえば、女性から高い支持を受けているスタイリストでインフルエンサーの金子綾氏とのコラボレーション商品「GLASSAGE+a.」のプロモーションは、まさに“線”を意識したものだ。コラボ商品の発表から認知拡大、期待感の醸成や商品の理解促進、購買の後押しまで丁寧に設計されている。

 金子綾さんとのコラボ商品は、2020年11月に第1弾のコラボレーションを発表して以降、2022年2月に第2弾、同年7月に第3弾と継続的に行われている企画でファンも多い。企画や広告に起用するインフルエンサーの選定は、Instagram活用で重要なポイントとなるが、GLASSAGEの場合は「女性向けのメガネブランドでマインドシェアを取っていきたい」という狙いのもと、起用するインフルエンサーを選定したそうだ。男性に比べ、女性はファッションカテゴリーが多様で細分化されている。特定のカテゴリーを狙い撃ちするのではなく、広くマインドシェアを獲得するために、ジャンルを問わず数々の女性誌で活躍している金子綾さんの起用に至った。

 「GLASSAGEではインフルエンサーとのコラボ企画を複数行っていますが、金子綾さんの企画は特に人気で、Instagram経由での売上も非常に大きいことが特徴です」(斑目氏)

 斑目氏によると、金子綾さんとの企画だけでなく、インフルエンサーとのコラボ商品を展開する際は必ずInstagramLiveをセットにして施策を検討するという。理由はやはり、Liveだからこその熱量・エンゲージメントの高さだ。Liveは基本的に台本を使わず、金子さんがファンから寄せられる質問に一つひとつ回答していくというスタイル。作り込みがないところが視聴者に支持されており、Live視聴者のリピーター率は高い。こうしたファンの存在が次の施策につながる原動力となっている。

 また、Liveを盛り上げ、そこからの購入につなげるための動線作りも重要だ。「Live配信のリアルタイム視聴を最大化するための告知・リマインド施策」「Live視聴者へのクーポン配布による購入の後押し」「Liveでの紹介商品は、後日商品タグを付けて広告配信」といった一連の施策により、第1弾より第2弾のコラボ企画のほうがコンバージョン率が138%向上するなど、施策を重ねるごとの改善も出てきている。

 「Instagram Liveを行うときは、まずはフォロワーの皆さんにLiveの存在を知らせ、当日までワクワクしてもらえるように動線を作る必要があります。広告も使いながらLiveを告知し、Live当日にもさらなる周知やリマインドを兼ねて案内し、Live配信後にはリアルタイムで視聴できなかったファンの方々に向けて、ストーリーズなどからアーカイブ視聴を促しました。金子さんには熱心なファンが多数いらっしゃるので、Live経由の商品購入については懸念はあまりありません。何よりも“Live配信に気づいてもらう”ことを重視して動線を設計しています」(岡本氏)

Instagram Liveは約1週間前から案内を開始。当日はGLASSAGEと金子綾さんの2つのアカウントからLiveを配信することで、GLASSAGEのフォロワー以外にもリーチし、Live の視聴を最大化
Instagram Liveは約1週間前から案内を開始。当日はGLASSAGEと金子綾さんの2つのアカウントからLiveを配信することで、GLASSAGEのフォロワー以外にもリーチし、Liveの視聴を最大化

 今後の展開としてGLASSAGEが目指すのは、“パーソナル接客”などブランドが提供する付加価値についてもInstagramを通じてアピールしていくこと。Instagramでブランドコンセプトや世界観の共有によりファンを増やし、売上増につなげていくことも大切だが、リアルの接客でしか得られない体験価値を訴求することで、さらなるエンゲージメントの深化が期待できる。

 1回きりの購入を促すマーケティングではなく、ファンを増やしながら、ブランドを大きくしていくマーケティングを。「女性向けのアイウェアブランドと言えば真っ先にGLASSAGEが想起されるような、そんなブランドを目指したい」という斑目氏の言葉どおり、GLASSAGEの成長はこれからも続きそうだ。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/04/07 15:00 https://markezine.jp/article/detail/41699

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