Instagramではブランドの世界観を第一に、質の高いファンを獲得
GLASSAGEのデジタルマーケティングにおいて、戦略立案から実行、効果検証までPDCAのすべてをサポートしているBLAM(ブラム)の岡本祥平氏は、Instagramをデジタル施策のメインに置く理由の一つを次のように説明する。
「GLASSAGEのブランドコンセプトにもあるコピー『メイクをするようにメガネを纏う』は、Instagramで非常に良い反応を示しています。『値段』や『お得感』『コンセプト』など複数の角度から広告を展開し検証してきましたが、最も高い効果が得られたのがブランドコンセプト×Instagram広告の施策でした」(岡本氏)
言わずもがな、Instagramはファッションやライフスタイルの分野と相性が良い。女性が憧れるハイセンスなメガネの写真と共に「メイクをするようにメガネを纏う」というコピーがあると、ファッションに敏感な女性は思わず目を留めてしまうのだろう。洗練されたクリエイティブと共にブランドの認知を高めながらそのコンセプトや世界観も伝え、マーケティングファネルの上部からアプローチしていく。
「広告は一度見ただけでは忘れてしまいますし、ブランドの理解も広告接触だけでは不十分です。そのため、リスティングやターゲティング広告などInstagramの外にも受け皿を作り、上流の部分をInstagramに配置する設計にしています」(岡本氏)
Instagramを活用する上で意識しているのは、広告もオーガニックの投稿も含め、クリエイティブやメッセージ、訴求ポイントなどをすべて複合的に考え、バラバラの“点”ではなく、顧客の心理を考えた“線”での発信を心掛けること。たとえば「ブランド認知」を起点とし、「購買」をゴールに置くとすると、顧客の心理が購買にたどり着くまでにはいくつかハードルが存在する。
まずは、ブランドを認知した後、興味関心を持った上で、GLASSAGEの雰囲気や世界観を「自分に合うもの」または「憧れるもの」として好意的に受け入れてもらうまでのハードル。ファッションのカテゴリーにおいてここは非常に高いハードルであり、GLASSAGEの場合はクリエイティブでこれを解消している。ちなみに、Instagramで使用するクリエイティブは斑目氏が内製しており、施策の目的に応じたアセットを企画の段階から柔軟に考えられることも、効果的な運用に大いに寄与しているそうだ。その他の価格や商品、サービスなど第2、第3のハードルになりそうなところはテキストやLPで解消できるようにしておく。「広告を中心にした“小手先の買わせるテクニック”はいくらでもありますが、GLASSAGEのターゲットやファンはそれらを使うと逆に離れていってしまう。ブランドの世界観を第一に、質の高いファンの育成を重視して運用しています」と岡本氏は説明する。
関連して、同じくBLAMに所属しGLASSAGEのデジタルマーケティングをサポートしている山坂氏も「クリエイティブは軽視されがちですが、Instagramにおいてはブランディングの基本となる部分であり、ここの強度で施策を1つ打ったときの反応は大きく変わってきます。GLASSAGEのInstagram活用で高い成果を挙げられているのは、こうしたところに理由があるのではないでしょうか」と見解を示す。
