旅行サイト(国内)の閲覧は、コロナ前の水準まで戻りつつある
次に、こちらは2020年1月から2023年2月までの「国内旅行」検索ユーザー数の推移です。

この3年間で、国内旅行に関心を持った層にどんな変化があったかを確認するため、2020年1~12月(コロナ1年目)、2021年1~12月(コロナ2年目)、2022年1~12月(コロナ3年目)の3つの期間で属性変化を確認していきます。


まず性別に関しては、女性のほうが若干比率が高く出ていますが、ほぼ男性との差分はありません。
一方、年代別に検索ユーザーを見ると、この3年での変化が浮かび上がってきます。コロナ1年目では60代、70代以上のシニア比率が低く、比較的若年層の比率が高い状況でしたが、コロナ2年目、3年目となるにつれてシニア比率が高まっているという変化です。コロナ1年目は特に、重症化リスクが高いとされる高齢者の外出自粛を呼びかける発信が多かったこともあり、当時のシニア層旅行控えの傾向が表れていると考えられます。
加えて、公益社団法人日本観光振興協会とヴァリューズとの協同調査「2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング」の結果も確認してみました。


同調査結果より、ヴァリューズが独自に定義する「旅行・交通」カテゴリのサイトについて2022年の1年間における閲覧人数を集計したところ、PCでは大半、スマートフォンでは全てのサイトが前年2021年と比べて110%超えとなっており、アクセスが増加していることがわかります。


さらに、コロナ禍前(2019年)との推計閲覧者数を比較すると、観光関連上位サイトは、平均するとPCでは1.1倍、スマートフォンでは横ばいとなっており、サイトにより多少の増減はありますが、サイト閲覧については概ねコロナ前の水準に戻りつつあることが読み取れます。これらのデータから、国内における旅行のニーズは復調傾向であることがわかります。恐らく、皆さんの国内旅行に対する温度感とそこまでずれてはいないのではないでしょうか。
海外旅行ニーズも徐々に復活中
では、海外旅行についてはどうでしょうか?

上記グラフは2020年1月から2023年2月までの「海外旅行」検索ユーザー数の推移です。本格的にコロナへの警戒が強まる2020年2月以前と比べると、検索水準までは戻ってきてはいませんが、「海外旅行」の検索流入は「国内旅行」よりもわかりやすく右肩上がりのトレンドとなっています(2021年12月のダウントレンドはオミクロン株の流行による懸念が高まった結果だと推察されます)。


海外旅行についても、関心層に変化があったかを確認するため、2020年1~12月(コロナ1年目)、2021年1~12月(コロナ2年目)、2022年1~12月(コロナ3年目)の3つの期間で属性変化を確認していきます。上のグラフを見ると、国内旅行同様に、一貫して女性の方が若干比率が高く出ていますが、ほぼ男性との差がないことがうかがえます。
また年代について確認してみると、一貫して20~40代比率が高く出ており、国内旅行とは異なる傾向です。海外旅行について、コロナ禍3年間で関心層に大きな変化があったというわけではありませんが、コロナ1年目から3年目までで徐々に年代が高い層の割合が増加している傾向は共通ということがわかりました。