年間パス保有者数の拡大に注力
MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは皆様の自己紹介をお願いします。
荒木(三井住友カード):三井住友カードのデータビジネスプランナーとして、各クライアント様が抱えているマーケティング課題に対し、キャッシュレスデータを用いた解決施策のプランニングを担当しています。
杉本(三井住友カード):私はデータアナリストとして、ビジネスプランナーから受け取ったプランを基に、キャッシュレスデータを用いた分析業務を担当しています。
石川(三井住友カード):私も同じくデータアナリストとして、企業・自治体の分析業務を担当しています。
篠(三井住友カード):私はデータサイエンティストチームに所属しており、主にAI機械学習を使った分析を担当しています。
岩崎(USJ):私はユー・エス・ジェイのデータドリブンマーケティングチームに所属しています。より良い形でベストな体験をゲストに提供すべく、顧客データの分析や戦略立案などを行う立場です。
豊島(USJ):私も岩崎と同じチームでデータマーケティングを推進しています。
MZ:年間入場者数のV字回復を成し遂げるなど、マーケティング先進企業のイメージが強いユー・エス・ジェイですが、直近で注力している取り組みを教えてください。
岩崎(USJ):ゲストにユニバーサル・スタジオ・ジャパンを長く選び続けていただくため、ロイヤルティの高い年間パス保有者を増やすことに注力しています。2022年11月には年間パスを一新し、ゲストの楽しみ方に合わせて「グランロイヤル」と「スタンダード」の2種からグレードを選べるようにしました。前者では多彩な特典を用意し、より気軽にパークを楽しみたいゲストのニーズに対応した券種が後者です。
自社データだけではパーク外の傾向を掴めない
岩崎(USJ):年間パスの保有者を増やすためには、ゲストを深く理解し、ペルソナを精緻に描く必要があります。これまでも「Clubユニバーサル」という自社会員基盤のデータを活用しながら顧客分析を行っていましたが、ファーストパーティデータだけでは得られる示唆に限りがあり、パーク外の傾向を掴めない点に課題を感じていました。
広い領域をカバーしたサードパーティーデータを求めていたところ、元々提携カードなどでお付き合いのあった三井住友カードさんから声をかけていただいたのです。渡りに船のお申し出で、キャッシュレスデータを活用した分析に取り組み始めました。
MZ:今回の分析には三井住友カードのデータ分析支援サービス「Custella Analytics」を活用したとうかがっています。まずは分析の全体像から教えてください。
石川(三井住友カード):「アナリストパート」と「サイエンティストパート」の両輪で分析を行いました。アナリストパートでは年間パス保有者の特徴を明らかにし、ロイヤルティの高い「有望セグメント」を抽出。サイエンティストパートではさらに一歩踏み込んで「年間パスを購入する可能性のある人」を予測しました。