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「インバウンドの思想」をマーケティングに~実践事例とその思考プロセス~

Googleのアルゴリズム更新後もリード件数は増加!改善に導いたブログの運営法とは

対策した結果、過去16ヵ月で最高のリード数に

 仮説立案と施策の取捨選択を繰り返すプロセスの中で「誰のためにコンテンツを制作しているのか」について、改めてチームの皆で確認し合う機会も設けました。

 アルゴリズムが更新されると対策チームは混乱し、SEOが第一の目的になってしまいがちです。しかし、Googleの「読者が求めている情報をわかりやすく提供しましょう」という根本的な趣旨は変わりません。向き合うべきは、検索エンジンではなく読者です。チーム全員が「このブログの内容は読者のニーズに応えているか?役に立っているか?価値を提供できているか?」の視点を持ち、記事を一つずつ丁寧に根気強く改善していくことが大切です。

 その結果、トラフィックは以前と同水準には達していないものの、リード数は増加し、2022年11月には過去16ヵ月で最高のリード数を達成しました。特に成果の得られた記事を2本、ご紹介します。

カスタマージャーニーマップの無料テンプレート7選

【記事のポイント】

 検索ボリュームが小さいトピックではありますが、リード数が多く、コンバージョン率も高い記事となりました。「カスタマージャーニーマップを作らなければいけないが、何から手を付ければ良いかわからない」と悩む方を読者として想定し、マップ作成の基本を、例を交えつつ伝えた上で、すぐに使えるテンプレートを多数紹介。これにより、読者ニーズに応えられた記事になったと思います。

ランディングページ(LP)の構成パターンと必要な7つの要素

【記事のポイント】

 こちらの記事では、検索ボリュームが大きいトピックを扱っていますが、その中でも高水準のトラフィックとリード数につながりました。「ランディングページ(以下、LP)をどのような構成で作成するべきかわからない」という課題を抱えた、比較的マーケティング初心者の方を読者として想定し「最低限盛り込むべき要素」「LP制作の流れ」「成果を出すポイント」を端的に整理。理解しやすさと読みやすさを担保したことで、読者に受け入れられたと考えています。

向き合うべきは「検索エンジン」ではなく「読者」

 読者のためのブログであっても、オウンドメディアとして運営している以上は、トラフィックとリードをしっかりと追います。インバウンドの思想を体現しつつ、リードも創出する。両方のゴールを追うことは非常に難しいです。「読者の立場になって考え、かつリードも創出するなんてきれいごとだよね」と感じる人もいるでしょう。

 それでもHubSpotは「相手から価値を受け取る前に、先にこちらから価値を提供し、信頼関係を構築する」というインバウンドの考え方を諦めることなくブログ運営をしていきたいと思っています。

 ブログを運営する上で最も嬉しい瞬間は、読者の方がSNSなどで記事をシェアしてくださったり、「役に立った」と投稿してくださったりしているのを見た時です。社内でも営業やカスタマーサクセス、カスタマーサービス担当者から「あのブログの内容が業務改善につながったよ」と報告を受けることもあります。

 価値提供を続けたことで、読者が納得・満足して自社への信頼を深める。その結果として企業は事業成果を得ることができるはずです。繰り返しにはなりますが、改めて強調しておきたいことがあります。それが、インバウンドなSEO実践において、向き合うべきは検索エンジンではなく、読者であるということです。

 アルゴリズムの更新をはじめとする外部環境の変化も、時代の流れに合わせたアップデートの機会と捉えましょう。社会の潮流や情報の受け手のニーズを柔軟に捉え、コントロールできるものに向き合い続けることで、信頼できる情報を届けられると私たちは確信しています。

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

HubSpot Japan 日本語ブログ編集長。CMS制作会社の営業職に従事した後、Webマーケティングメディア「ferret」の立ち上げから参画し、ライター・副編集長を経て独立。「MarkeZine」や「ITMediaMarketing」「AMP」など複数のビジネスメディアで執筆活動する傍ら、BtoB、BtoC複...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

池村 真澄(イケムラ マスミ)

HubSpot Japan マーケティングチームSEOストラテジスト。旅行、アパレルなどのメディアサイトやECサイトのWebデザイナーとして従事。その後、Webマーケティング職へ転身。留学やフランチャイズなど複数の比較メディアでSEO・CROを担当。2022年4月より現職。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2023/06/12 08:00 https://markezine.jp/article/detail/41893

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