デジタルハックで成長できた、初期フェーズ
アソビュー!は、遊びに行きたい人=ゲストが、遊びを提供するパートナーをサイト上で発見・予約し、現地に訪れて初めて収益が発生するというビジネスモデルです。そのため、2014年にマーケティングの担当者として入社した時、私は「いかに効率的に顧客を獲得し、予約に繋げるか」という視点で、デジタルマーケティングやグロースハックを中心に戦略を構築しました。
上記の戦略、施策について説明する前に、この思考の前提となる私の過去の経験についてもお話しさせてください。
私は2010年の秋頃、在学中にITベンチャーでインターンをするところからキャリアをスタートしています。その後、アソビューに入社するまでの間に、Webサイトのディレクション、コンテンツSEO、メールマガジンを中心としたCRM、Google・Yahoo!・Facebook・Twitterを中心とした運用型広告、またBtoB事業におけるリード獲得やナーチャリングなどの業務を経験。年商10億円前後の事業責任者や、ゼロ~数千万~数億規模の新規事業立ち上げなども経験してきました。
そんな経験を踏まえて、比較的薄利なビジネスモデルのアソビュー!において、私がまず最初に手を付けたのはSEOでした。「沖縄 スキューバダイビング」「関東 パラグライダー」といった検索Wordで上位を獲得するために、サイト構造やコンテンツのテコ入れを行っていきました。あわせて、営業組織と連携し、SEOで有効な商品を優先して開拓したり、SEOを考慮した商品ページが制作されるように業務フローを改善していきました。
その成果もあり、初期フェーズではトラフィックが急増。業績も順調に成長していきました。
SEO施策の頭打ちで成長率が鈍化、アフィリエイト広告を開始
しかし、ある程度検索上位を獲得したところで、成長率が鈍化していきました。そこで、次の戦略を考えます。よりニーズのある(つまり、検索ボリュームのある)商品カテゴリへ商品ラインナップを広げることで、検索エンジン経由のトラフィックを担保し続け、それによって再成長を促す。このサイクルを中心に戦略を設計しました。
できる限り支出をおさえた状態で、検索エンジン経由のトラフィックをどこまでサイトに集約できるか? ということで、取った打ち手はアフィリエイト広告でした。具体的には、旅行代理店や宿泊予約サイト、旅行系キュレーションメディアとの事業提携、おでかけ情報・旅行情報の発信に長けたブロガーのリクルーティングなどです。当時から、アソビュー!は、日本全国の遊び、つまり商品と在庫を最も保有しているサイトでした。その特長を活かし、重要検索キーワードで上位に表示されるWebサイトの最終的な着地ページをすべてアソビュー!のLPにすることを目指したわけです。
SEO施策とアフィリエイト広告により、CPO(Cost Per Order)をできる限り効率的にした上で検索広告を展開し、残りの検索エンジン経由の取りこぼしを減らしていくアプローチと、アソビュー!のCV最適化に向けたABテストを繰り返すことで、成長確度を維持するよう努めました。