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MarkeZine Day 2023 Spring

そのZ世代のイメージ像、合ってますか?7つのインサイトと、SNS起点で企画・プロモーションする方法

 マーケターがその動向を注目する、Z世代の若者たち。Z世代に関する調査や分析が重ねられ、「Z世代とはこういうもの」というイメージ像が出来あがってきた。しかし、Z世代を簡単にひとくくりにしてしまうと、「マーケティングのわなに陥ってしまう」という。本記事では、Z世代向けのマーケティングを行う僕と私と株式会社 代表取締役の今瀧健登氏と、株式会社博報堂DYメディアパートナーズの森永真弓氏が、実は一つにくくれないZ世代の実態と、マーケターとしてのよりよい向き合い方を語った。

全ての若者がZ世代的なのか

森永:私は博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所で、若者の研究もしております。今回、「僕と私と」の代表取締役の今瀧さんとともに、Z世代のインサイトと彼らに寄り添うマーケティングを探っていきたいと思います。

今瀧:よろしくお願いします。「僕と私と」はZ世代に特化したマーケティング会社です。私自身もZ世代ではありますが、この世代をターゲットにしたマーケティングの難しさを感じることは多いです。

 Z世代と言っても、現在の中高校生から社会人3年目の人たちまでと年齢も幅広いです。価値観も多様化しているので、Z世代を一括りにして語ることは、正直難しいです。今回はZ世代へ、どんな企画を作ればいいのかを共有したいと思います。

森永:まず1つ、調査データを共有したいと思います。2022年に「全ての若者がZ世代的なのか」という調査を行いました。

 調査の背景としては、世間的にZ世代は「情報収集はインターネット」「社会貢献への関心が高い」「モノよりコト重視」といった特徴が語られがちです。しかし、これらを網羅した若い人たちがドンピシャで目の前に現れることは少ないんですよね。

株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 上席研究員 森永 真弓氏
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 上席研究員 森永 真弓氏

森永:そこで、全国規模のZ世代の意識調査を行いました。結果、Z世代の中でも7つの異なる傾向を持つ集団像が見えてきました。

 興味深いのが「リア充Z」と分類される、「女は専業主婦で、男は働くべきだ」といったスコアが高めに出ている人たちが存在していることです。こうした点からも、世間で広まっている「Z世代のステレオタイプ像」で語れるものではなく、多様であると感じています。

森永:この7タイプを、情報行動に注目してマッピングすると以下のような結果が見えてきました。属性によってかなりばらつきが出ます。今瀧さんも「Z世代はくくれない」とおっしゃっていましたが、その通りの結果になりました。

今瀧:「Z世代はこうだ」とメディアが取り上げるのを見ると、たしかにと納得できることもあります。しかし実際に一つにくくるのは難しいことが調査結果から見ても明らかですね。

「Z世代っぽい」という幻想から脱却せよ

今瀧:実際、企業がZ世代をくくって「Z世代っぽい」ものを作り上げ、失敗した例を見たこともあります。1くくりの大きなターゲットにしてしまうと、逆に誰でもない架空のターゲットと向き合うことになります。結果、誰にも刺さらないものになってしまう。

 僕らがZ世代をマーケティングする際は、「金魚すくい」を意識しています。一気に全部すくおうとしてしまうと、1匹も引っかからない。そうではなく、実際の一人ひとりに向き合って企画を作ることが重要だと考えています。

森永:マーケティングの責任者が上の世代の場合、「一人ひとりの特徴を積み上げるなんてそんな面倒くさいことをやっていかなきゃいけないの? もっと一発で効果的に捕まえられるターゲットはいないのか?」と言われることも多いのではないでしょうか。

今瀧:一番もったいないのは、誰にも刺さらないものが生まれてしまうことですよね。Z世代と言っても本当にバラバラです。「Z世代っぽい」というあやふやなペルソナから商品や施策を作ってしまい、実在しない人に届けても売り上げは立ちません。

 それよりは、実在する複数人をペルソナとして立て、そこの共通項を探していくことが必要なマーケティングの形になってくると思います。

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/06/12 08:30 https://markezine.jp/article/detail/42110

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