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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

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Z世代への強いリーチ力に注目!JCB・楽天の事例からマーケティング視点で紐解く、eスポーツの可能性

イベントの中で「楽天スーパーSALE」の売り上げに匹敵する商品も!

MZ:楽天グループはどのようなお取り組みを行ったのでしょうか。

川畠:我々が開催している「Rakuten esports cup」では、同イベント配信の中で協賛いただいたメーカー企業が露出し、「楽天市場」で販売している商品を紹介する取り組みを実施しました。その結果、通常時の数十倍を売り上げ、一部の商品では「楽天スーパーSALE」「お買い物マラソン」の売り上げに匹敵するなど、非常に効果が出ました。

 具体的にはゲーミングPCやモニターなど、ゲームと親和性のあるものが特に人気でしたね。他にも飲料メーカーや、飲食店を経営されている企業様などもご参加いただきました。実際に投資効果が良く喜びの声もいただいています。結果が出たことで、継続にもつなげられています。

 今後もスポンサー企業・視聴者・ストリーマーとイベントに関わってくださる方々全員に喜んでいただけるような施策を、楽天グループとして総力を挙げてやっていきたいという思いがあります。

大会中のライブコマースの様子(楽天公式サイトより)
大会中のライブコマースの様子(楽天公式サイトより)

MZ:成果が出たポイントについては、どのようにお考えですか?

川畠:我々のイベントは、ストリーマーの方々を基軸として運営しています。彼らには競技の部分だけでなく商品紹介でも登場いただくことで、イベントという場の活用と、相乗効果が出るのだと思います。

 こういったイベントは、自社開催だけでなく横展開できる座組みです。必ずしも楽天主催でやる必要はなく、他社さんが実施するイベントの中で購買ルートとして楽天を活用していただくような形もおもしろいのでは、と考えています。

まずはスモールスタートで、Z世代との接点づくりを

MZ:最後に、今後の展望についてお伺いできればと思います。

吉野:既存の接点がない層へ訴求する場合、いきなりファンを作ることは非常に難しいです。そのため本協賛のように、既に接点を持つ企業とともにコミュニティと関わる中で潜在顧客を理解し、そのニーズに応じた商品・サービスを検証していく手法は有効な手になるのではないでしょうか。

 eスポーツはこれからメジャーになっていくカテゴリーだと思いますが、我々の取り組みが新しい文化をさらに幅広い方々に受け入れてもらうきっかけにもなればと思っています。今後はZ世代の方々のパーセプション・チェンジを促すべく、この接点を活用していきたいです。

川畠:やはりeスポーツはZ世代に向けたコミュニケーション施策として非常に的を射ていると感じます。まずは小さく始めてみるのが良いのではないかと考えています。

 加えて、eスポーツ市場はまだビジネスモデルが確立されていない業界です。参入したものの商品の露出にとどまり、結果が出ずに撤退してしまう企業が増えれば業界自体の成長にもつながりません。我々楽天グループとしては、eスポーツで関わるメリットをスポンサー企業さんに感じていただきつつ、eスポーツのビジネスモデルの構築に貢献できればと思っています。

塚本:川畠さんがおっしゃるように、スモールスタートでやってみることが大切だと思います。我々のようなプロチームとの取り組みや大会の協賛、あるいは事業を一緒に創っていくなど様々な形が可能です。

 eスポーツ企業だけでなく、楽天さんのようなプラットフォーマー、ジェーシービーさんのような事業会社、あるいはパブリッシャーなど皆でWin-Winになれるビジネスモデルの確立を目指し、業界全体で健全に発展していくことが今後のテーマだと思います。

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/06/02 08:00 https://markezine.jp/article/detail/42136

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