実店舗の価値は「達成感が得られること」
大里:村橋さんが実際に事業を手がけられたことで感じる店舗ビジネスだからこその提供価値についてはどのように捉えられていますか?
村橋:達成感を提供できることが大きな価値だと考えています。
コロナ禍ではWebを通した自宅トレーニングが流行しましたよね。この部分だけ見ると店舗がなくてもトレーニングができるので、ジムは不要に思えるかもしれません。しかし、家だと目に見える達成感が少ないことで「やりきれなかった」と感じた方が少なくなかったと我々は考えています。

村橋:ですが、ジムであれば、通えば通うほどトレーニングの重量を視覚で実感することができます。「簡単」「便利」で「楽しい」けどしっかりとしたコンビニジムであるchocoZAPをより多く作ることで、そういった方々に達成感を感じていただくことができます。
大里:この“コンビニジム”というコンセプトは、秀逸だと感じています。利便性はもちろんですが、コンパクトな収容スペースのジムだからこその、ユニークな店舗価値の生み出し方もありますよね。第三者からでもコラボレーションのアイデアが生まれやすく、提案したくなるコンセプトだと思います。
村橋:確かに最近では「物件が空いたのですが、chocoZAPを出店しませんか?」といった問い合わせを多方面からいただくようになりました。我々としては病院やリハビリテーション施設との連携にもシナジーを感じているので、今後施策を検討していきたいと思っています。
コンセプトの特性上、ユーザーがすきま時間に使いやすいため、待ち時間が発生するような事業は親和性が高いかもしれません。
目指すは社会のインフラ 入っているのが当たり前を目指す
大里:最後に、今後のchocoZAPが描く展望や方針についてお話しいただければと思います。
村橋:現在は、月額料金2,980円の中で、ジムのサービスに加えて多様なサービスが受けられる体制ですが、今後も料金は据え置きでさらに多彩なサービスを提供したいと考えています。
まるでコンビニのように、色々なものが並ぶイメージで、お客様がchocoZAPに来店することで、多くのサービスに出会う。それを通じて輝く自分を手に入れられる。そういう世界を作っていきたいと思っています。
大里:欲しいものがどこでも簡単に手に入りやすくなっている状況において、本当に心を豊かにすることや情緒的な価値への関心が高まっていると感じます。そんなとき、新しいことへのチャレンジを習慣化するために、ジムは非常に良い場所だと個人的にも感じています。
それに加えてこれだけ多彩なサービスが付随するchocoZAPであれば、毎月2,980円の支払に対して、動画配信サービスのように「払って当然」の感覚で利用される方も増えていくと思います。
村橋:まさに動画配信サービスのように様々なサービスが日常に根付いていることで「継続するのが当然」と満足していただけるサービスを目指しています。だからこそ、サービス拡大をしても、月額料金をアップセルしない方針で現在は考えています。
ジムに行く理由を一つだけではなく、色々なお客様にとって、数多く作ることができれば、その分多くの方にジムに来ていただけますよね。
最終的にはchocoZAPを「地方まで隅々と行きわたるお客様の生活インフラ」にしたいと考えています。全国に5万店舗以上あるコンビニのような身近な存在になれるよう、今後も取り組んでいくつもりです。そして、運動習慣者を増やし、健康寿命延伸に貢献して参ります。
