マーケティング部門で完結させない
――リアルに商品をお客様に提供するPRをプランニングに含める場合は、その商品に関わる方たちの同意や協力が重要だと思います。
営業や商品開発、食品安全管理、購買、マーケなど様々な部門が連携したからこそ実現できたことですね。確かに、会社の総合力が問われるかもしれません。
――ちなみに、丸亀シェイクうどんのメディア戦略ではいくつくらいの会議体があり、どれくらいの部署が関わったのですか?
各代理店さんとはワンチームで取り組んでいるので、丸亀シェイクうどんのミーティングとして、各メディア担当の代理店が一堂に会する場を設けています。そして、TVCM、サンプリングやPR、SNSなどマーケティングに紐づく分科会が複数存在して、さらに施策ごとのミーティングもあります。サンプリングイベントの分科会では、営業や食品安全管理など社内の4~5部門が意見を出し合いました。要はマーケティングと代理店だけでなく、他の部門も合わせて、オール丸亀製麺会議という形でしたね。
新しい価値と本質的な価値をつなげる
――最後に、次の取り組みや今後の展望をうかがえますか?
若年層向けの取り組みは継続していきます。丸亀シェイクうどんも夏に向けて、いろいろと準備をしている最中です。さらに、若い方はもちろんお子さんがいらっしゃるご家族など、まだまだチャンスがあると思っているお客様にもっと楽しさとワクワク感を伝え、共感していただけるよう努力していきたいと思います。そのために、商品開開発からコミュニケーションまで、しっかり横断して実現させたいです。
一方で、新商品が一時的なブームで終わってはいけないと考えています。丸亀シェイクうどんで入ってきてくれたお客様に、今後もご利用いただきたい。そのためには、粉からつくるできたてもちもちのおいしさ、麺職人がつくる本格的なうどんへのこだわりといった丸亀製麺の本質的な価値を理解していただく必要があります。新しさと従来の価値をつなげるブランディングをしていく予定です。
また今回、メディアプランニングの観点ではフルスイングで新しいことに取り組んだ結果、しっかり高いROIを実現できました。しかし、無駄がなかったかと問われると、使わなくてもいいパワーを使ったところも正直あります。データは取っているので、そこの精度を上げていきたいですね。加えて、リアルとオンラインをしっかり組み合わせることの重要性を感じました。特に、若い方はリアルでの体験を求めているのではないかと思います。リアルで感じる体験価値と、オンラインで創出する楽しさ、そこをつなげる設計をしっかり考えていきたいと思います。
