クリエイティブ最適化でアテンション最大化、そして得られた成果とは?
3つ目のクリエイティブ最適化に関しては、Teads Studioを活用し、既存のクリエイティブをTeadsのフォーマットに合わせて編集。その結果、アテンションやブランド想起、インタラクション、滞留時間の増加につながった。
Teadsの特長を存分に活かしたキャンペーンを行った結果、VTR(視聴完了率)は65%、CTR(クリック率)は0.21%、ブランドリフトは16ポイント向上と、すべてがベンチマーク値を上回る結果となった。
またCookieレス、Cookie使用のターゲティングに関するA/Bテストの結果は、Cookie使用広告のVTRは59%だったのに対し、Cookieレス広告がVTR65%と上回った。その他にもCPCV(視聴完了単価)、CTRの値においてCookieレス広告のほうがすぐれたパフォーマンスを発揮した。
セッションの最後、ボルワニ氏は今回のキャンペーンが成功した理由をまとめ、セッションを締めくくった。
「今回のキャンペーンでは、Teadsで提供のできるテストをきちんと行うことで、ターゲットに対しての成果が明確にわかり、Metaさまにご納得のいく結果をお返しできたと思っています。Teadsを活用いただき、素晴らしい結果が得られたことを嬉しく思っています」(ボルワニ氏)
アテンションエコノミーとは?Teads今村氏の解説
後半にお届けするのは、「アテンションエコノミー: テクノロジー×ブランド×エージェンシー対談 メディアの品質とクリエイティブの効果とは」というセッションのレポートだ。登壇したのはTeadsの今村 幸彦氏、エスエス製薬の新免 珠美氏、電通のグラント・ジョシュア氏の3名。
最初に今村氏から、最近注目されている新しい指標である“アテンション”について説明があった。
「“アテンション”とは近年、海外、特に欧米において注目が高まっている概念です。今の時代を“アテンションエコノミー”と表している調査もあります」(今村氏)
これまでの社会では情報の質、正確性に対して経済価値が与えられていた。しかし現在では情報の氾濫によってその状況が変化。『いかに人の注目を集めるか』に対して経済価値が発生するようになった。こうした概念をアテンションエコノミーと呼んでいる。
このアテンションエコノミーが浸透していく中「広告に関してもアテンションの測定が求められていく」と今村氏は語る。ある調査では、消費者が1日のうち約5時間をメディア消費に費やし、その中で84分も広告に接触している。しかし、広告でアテンションが獲得できているのはわずか9分だという。つまり、広告には接触しているものの、そのほとんどが認知されずにスルーされているのだ。
新免氏は自社のマーケティングを例に、アテンションの重要性について以下のように語る。
「現在、エスエス製薬では、テレビとデジタルをミックスし、複数のクリエイティブでキャンペーンを行っています。そのため、どのキャンペーンが効いたのかわかりにくいのが正直なところです。ですが、各広告のアテンションを計測できれば、不明瞭な部分がクリアになっていくのではと期待しています」(新免氏)