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【特集】転換期に商機を見出す

店舗とECを自然とクロスで考えられる環境になった アイスタイルに聞く、@cosme成長の秘訣

 ECサイト「@cosme SHOPPING」、実店舗「@cosme STORE」、旗艦店「@cosme TOKYO」など、オンライン/オフラインをまたぐコスメ・美容プラットフォーム「@cosme」。2022年6月期決算では過去最高の売上高を記録し、EC・店舗とも2桁成長を達成。2023年5月には通期売上を上方修正するなど成長を続ける。その背景には何があるのか。アイスタイルの国内リテール事業全般を統括する本橋未来氏にうかがった。

※本記事は、2023年7月刊行の『MarkeZine』(雑誌)91号に掲載したものです。

リアル店舗とEC、それぞれの強みを磨く

──2020年から現在まで、どのようなマーケティング戦略のもとでビジネスを展開されてきましたか? 以前から変わらない部分と、コロナ流行期において急遽変更が起きた部分、また規制解除に応じての変化について教えてください。

 大前提として、化粧品のマーケットではリアルが大事にされてきました。流通シェアも大きいですし、ブランドとお客様とのコミュニケーション接点としても重要です。@cosmeでも店舗のボリュームが圧倒的に大きく、ECが少しずつ成長してきた流れがあります。

 一方、ECも2020年の段階でプチプラから百貨店ブランドまで、幅広いラインアップを揃えていました。ですから、コロナの流行でECの需要が急増した際にも、ニーズに応えるキャパシティを持っていました。加えて、リアル流通しか展開していなかったブランドからの相談もいただき、受け皿になりました。

株式会社アイスタイル 執行役員 兼 プラットフォームセグメント販売販促ユニット長 本橋未来(もとはし・みく)氏 楽天、コナミデジタルエンタテインメントを経て、2014年にアイスタイルに入社。2018年、@cosmeの公式通販「@cosme SHOPPING」を運営するコスメ・コムの代表取締役社長に就任。その後2021年より店舗・ECの運営を行うアイスタイルリテール取締役副社長、2022年10月よりアイスタイルの執行役員兼プラットフォーム事業セグメント販売販促事業ユニットユニット長に就任。アイスタイルの国内リテール事業全般を統括している。
株式会社アイスタイル 執行役員 兼 プラットフォームセグメント販売販促ユニット長 本橋未来(もとはし・みく)氏
楽天、コナミデジタルエンタテインメントを経て、2014年にアイスタイルに入社。2018年、@cosmeの公式通販「@cosme SHOPPING」を運営するコスメ・コムの代表取締役社長に就任。その後2021年より店舗・ECの運営を行うアイスタイルリテール取締役副社長、2022年10月よりアイスタイルの執行役員兼プラットフォーム事業セグメント販売販促事業ユニットユニット長に就任。アイスタイルの国内リテール事業全般を統括している。

 また、同時期に「@cosmeだと安心だよね」というお客様の声が増えました。元々、口コミが集まり、直接ブランドと取引しているので信頼関係を築けていたのだと思います。行動が制限されてオンラインの情報が多すぎる中で、安心と信頼を求めて選ばれた。この点を大切にしていこうと考えました。

 店舗スタッフについても、以前からいかにオンラインでコミュニケーションを取るかを考えたり、ECをお勧めするコミュニケーションを取ってもらったりする環境作りに努めてきました。そのため、2021年には「教えて!美容部員さん」という@cosmeSTORE/TOKYOの美容部員によるコンテンツや、ブランドのオンライン体験会など、店舗発のオンラインの取り組みも生まれました。教えて!美容部員さんは、現在、平均視聴者数5,000名を超えるライブコマースに成長し、ブランドから美容部員へ出演依頼をいただけるまでになりました。

 @cosmeはブランドや化粧品とお客様の出会いの場を提供することが第一で、店舗・EC、自社流通以外も含めてどこで買ってもらっても構わないという考えです。一方で、もちろん店舗スタッフは来店されたお客様への買い物体験の提供をまず大切にしてくれます。一度、半強制的にオンラインに向き合ったことで、オフラインとオンラインをクロスで自然と考えられるようにアップデートされたと言えるかもしれません。

 2023年からは店舗がより活性化していくかと思いますが、オフラインとオンラインの区別はせず、信頼の積み重ねを続けていきたいです。一方、オンラインとオフラインの強みも明確になってきました。それぞれの長所を磨いていきたいと思います。

──オンとオフでは、どのような強みがあるのでしょうか?

 オンラインの場合、お客様は情報を吟味して冷静にお買い物をします。店舗は出会いや雰囲気、コミュニケーションを通して醸成される気持ちが購買の後押しになります。ECでもリアル店舗のようなわくわくを作りたいと考えていた時期もありましたが、ECと店舗のワクワク感の作り方は違うかなと。LTVが高いECでは何度も使いたくなる仕組み作りを磨き、店舗ではその場の楽しさをいかに演出できるかを磨きたいですね。

 また、お客様もオンラインとオフラインを使い分けていると感じています。2018年から@cosme BEAUTY DAYと@cosme SPECIAL WEEKという大きなイベントを開催していますが、2022年12月に実施したBEAUTY DAYでは、店舗でECも見ながら、どちらで買うか決めているお客様の姿が多く見られました。慣れている方だと、店舗決済で即時付与されたポイントを使って、その後ECでもお買い物をされていました。各タッチポイントの長所を磨くことで、そのようなお客様に多くの機会を提供していきたいです。

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。2013年までは書籍の編集をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/07/26 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42793

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