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【特集】転換期に商機を見出す

訪日増が期待できる東南アジア インバウンドで商機を見出すには?

 入国者数の上限撤廃と個人旅行客の受け入れ再開以降、訪日外国人数は一気に増加している。中でも訪日者数の回復が目覚ましいエリアは、東南アジア主要6ヵ国と呼ばれるタイ、ベトナム、シンガポール、フィリピン、マレーシア、インドネシアだ。本特集ではこのエリアに商機があると考え、東南アジアにおけるマーケティングやインバウンド向けのプロモーションに精通したDTK ADの木村氏に話をうかがった。

※本記事は、2023年7月刊行の『MarkeZine』(雑誌)91号に掲載したものです。

タイの訪日外客数は米国に次ぐ勢い

──日本でもインバウンド需要が回復しつつある今、東南アジアからの訪日増が期待されているそうですね。

 日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2023年1~4月の訪日外客数で、タイは米国に次ぐ5番目、ベトナムは7番目の多さを記録しています。

図表
【クリック/タップで拡大】出典:日本政府観光局「訪日外客数(2023年4月推計値)」

 また2019年同月期からの伸び率を見ると、ベトナムが1位、シンガポールが2位でした。

──なぜ東南アジアからの訪日外客がこれほど伸びているのでしょうか?

 主要6ヵ国に関しては、以前から訪日外客数が増加傾向にあったのです。コロナ禍で一度伸びは止まったものの、現在は先に述べたとおり回復しつつあります。私が住んでいるタイでも7割ほど回復していますし、シンガポールに関してはコロナ禍以前の数を超える状況となっています。

DTK AD Co.,Ltd.代表取締役 木村好志(きむら・こうじ)氏 16歳のときに家族とともにタイへ移り、20歳まで現地で生活。日本に帰国後、飲食店や輸入業などを起業する。2013年に再びタイへ渡り、DTK ADを創業。複数の東南アジアの国において、現地企業および日系企業のマーケティング・広告・PRなどを支援する。
DTK AD Co.,Ltd.代表取締役 木村好志(きむら・こうじ)氏
16歳のときに家族とともにタイへ移り、20歳まで現地で生活。日本に帰国後、飲食店や輸入業などを起業する。2013年に再びタイへ渡り、DTK ADを創業。複数の東南アジアの国において、現地企業および日系企業のマーケティング・広告・PRなどを支援する。

 伸びの背景には入国規制の緩和もありますが、東南アジアにおけるビザ要件の緩和や、経済成長にともなう中間所得層の増加も無視できません。2013年7月に、タイとマレーシアでは日本入国時のビザが免除されたのです。

 それ以前はこれらの国の人たちが日本を訪れる際、保証人や銀行のステートメント(残高証明)が必要でした。現在はタイ人の場合、ビザがなくても日本に15日間、観光やビジネス目的で滞在することが可能です。タイとマレーシアに比べると厳しいものの、他の国でも徐々に要件が緩和されつつあります。このことが訪日外客数に与える影響は大きいでしょう。

 また、LCCによる格安航空券のパッケージが次々と出てきたことも訪日外客数の増加に貢献しています。半年〜1年前の予約なら大幅に費用を抑えて日本旅行ができるようになりましたから。さらに最近の円安も手伝って、幅広い中間所得層が日本を訪れています。

日本旅行のリピート率が高いワケ

──東南アジアからの訪日増が期待できる理由は他にもありますか?

 東南アジアからの訪日旅行に見られる大きな特徴が、高いリピート率です。たとえば1回目に東京か大阪を訪れます。2回目は1回目に行かなかったほうを訪れ、3回目は東南アジア諸国でなかなか見られない雪を求めて北海道などの雪国へ、その後は九州地方へ、という具合に、様々な地域を訪れては新たな発見を楽しんでいるのです。実際JNTOのデータを見ても、タイ人の日本旅行のリピート率は7割を超えています。

 なぜこれほどリピート率が高いかと言うと、日本はタイに比べて都道府県や地域ごとの特色が強いためです。タイには全部で77の県があるのですが、首都バンコクやプーケット、サムイ島といった観光地を除くと、どの県も風景が似ています。私自身タイ国内の30県以上を訪れる中で、日本ほど都道府県ごとに雰囲気や特産品が異なる国はないと感じました。タイ人からすると新鮮で、旅行意欲が底を尽きないのでしょう。

 これらの理由から、日本旅行の人気は衰えることなく、今後も右肩上がりで伸びていくと考えています。この傾向と展望は私が住んでいるタイに限らず、程度の違いこそあっても東南アジア主要6ヵ国全体に言えることだと思います。中でも注目したいのは、これからのマーケットを牽引していく若年層です。タイとシンガポールは少子高齢化が始まっているのですが、その他の国々は平均年齢が低い。その年代が日本旅行に興味を持っていると考えると、さらなる成長を期待できると思います。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/07/27 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42795

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