理想はFRIENDLY DOORがなくなること
川合:今後の展望として、FRIENDLY DOORもしくはLIFULLの中で叶えたいことは何ですか?
龔:FRIENDLY DOORは、本当はカテゴリなんてないほうがいいのです。私も外国籍とカテゴライズされるのは嫌ですし、他の当事者たちもみんなそうです。今はカテゴライズしなければ安心して探せないからカテゴライズしているだけです。もっと言えば、最終的にはFRIENDLY DOORのサービス自体もなくなって、LIFULL HOME'Sで誰もが当たり前に住まい探しをできる状態にすることが理想です。

LIFULLで私が今一番やりたいことは後進の育成です。メンバーはみんな、熱い気持ちを持っている人たちなので、どんどんバトンパスをして、私はもっと育成や仕組み作りに注力していきたいです。
主軸事業のケイパビリティと、外部との連携が重要
川合:企業の中でCSR活動となっている社会課題と事業を結びつけたい人に向けて取り組みのポイントやメッセージがあればお願いします。
龔:もちろん事業オーナーのやり抜く力は重要ですが、「会社のケイパビリティを利用できる領域かどうか」が非常に重要です。たとえばLIFULLの主軸は住まい領域なので、不動産会社のネットワークやノウハウが生かせる社会課題であることが、応援してくれる仲間をどれくらい集められるかに大きく影響します。主たる事業の持つケイパビリティで社会課題に取り組むことが、最も社会的インパクトが大きくなる秘訣です。
また、自社だけでやらないことも大切です。自分たちだけでやろうとすると難しいことは多いので、いろいろなNPO団体と連携する。外部の力を借りることで、社員がいろいろな領域で活動している人たちと交流する機会も作れますし、同じ社会課題を見ている人たちが一緒に進めていくと、なにより事業のスピードも格段に上がります。