金融機関だからできる「環境配慮に向けた融資」の促進 学生への金融教育も展開
──引き続き、りそなさんでの具体的な取り組みについても教えてください。
北條:具体的な取り組みは様々なものがありますが、「リテール・トランジション・ファイナンス」について紹介します。
りそなグループのお客様の8割は中堅中小企業や個人のお客様なのですが、リテール・トランジション・ファイナンスとはりそなグループの造語で、そのお客様自身が変化を先取りしてSDGsやサステナビリティに向けて自身の意識や行動を前進していけるように、融資や投資を展開する取り組みです。融資分野では、たとえば再生可能エネルギーの利用に取り組む企業など環境に配慮した事業や体制作りを進める企業に融資を行うほか、CO2排出量を簡易に算出するサービス、ESG目標設定付きの融資も提供しています。また個人のお客様に対しても、環境配慮型住宅の購入を検討されるお客様へのサポートを行っています。

りそなホールディングスでは顧客に合わせてSXに向けた各種ソリューションを展開している(りそなホールディングス公式Webサイトより)
北條:投資分野ではESG投資商品をそろえ、グループの信託会社で運用を行っています。ESG投資は、収益や利回りといった指標のほか、環境や社会、コーポレートガバナンスなどの観点を組み込んだ投資商品で、いわゆる利益追求だけでない環境や社会に配慮する優良企業への投資を促進します。
そのほか、りそなグループのアプリを展開することで、環境や社会コストの削減に寄与しながらお客様の利便性向上を実現したり、金融教育にも注力して小学生や中高生、大学生に向けたお金の教育を行ったり、SDGsやESGなどに関連する大学の寄附講座を展開したり、企業に向けてSDGsの取り組みを後押しする情報発信のためのセミナーを提供するという取り組みも進めています。
Z世代は「お金」についてどう考えているのか
──学生や新社会人の皆さんはいまのお話を聞いてどう思いましたか? また、お金に対して皆さんが持っているイメージを教えてください。
服部:団体を立ち上げて実感したのですが、お金は簡単に出ていくのに、収入を得るのがなかなか難しいんですよね。実際に企業さんに協賛をお願いすることもあり、集まってきているのですが、金額には制限があるので高校生がより活動できるような支援が発展してくると良いなと思います。
高橋:環境団体やNPOの方と話す機会があるのですが、やはり収益化しなければ持続が難しいという課題は非常に大きいと思います。どれだけ良い活動をしても、お金がないと広がらないし続きません。そのため途中で止まってしまった活動もあるので、支援の仕組みが広がることを期待しています。
日野原:離れている地域のイベントに参加したり、活動したりする時に交通費だけでもあると便利なので、そういう活動を学生向けに優しく支援していただければありがたいですね。
瀧:私も自分で稼ぐ身となりましたが、将来のやりたいことのためにいまは貯金に励んでいます。社会人になって、お金は自分の選択肢を広げてくれるものだと思うようになりました。もちろん使い方によっては逆に狭めることにもなりますが。