米国のCTV広告市場は日本の約60倍
佐々(Adjust):CTV(コネクテッドテレビ)広告について議論を進めていきたいと思います。CTVとは「インターネットにつながっているテレビデバイス」のことです。本日お集まりいただいた皆様は、そこに流れるストリーミングサービスやOTT(※1)を仕掛けながら、放送業界を進化させていらっしゃいます。
※1 Over The Topの略。インターネットを介して視聴者に直接提供するメディアサービスのことを指す
佐々(Adjust):新たなチャネルとして注目を集めるCTVですが、CTV広告の市場はどのような状況でしょうか。
綾瀬(ABEMA):2023年2月にデジタルインファクトとサイバーエージェントでCTV広告に関する調査を行いました。その結果によると、国内の動画広告市場において2022年は10%だったCTV広告のシェアが、2026年には20%にまで伸びると予測されているのです。CTV広告のポテンシャルの高さが見てとれます。
佐々(Adjust):世界に目を向けても、CTV広告市場の拡大は明らかです。US市場だけで日本市場の約60倍に相当する3兆円超の市場規模(2022年時点)を誇っています。それが2026年には5兆円超になると予測されているのです。CTV自体の普及もますます進むでしょう。CTVの保有世帯数が2023年に3,000万、2026年には3,640万まで伸長することを示すデータもあります。
手元のスマホで検索行動を促しやすい
佐々(Adjust):CTV広告の特徴をまとめると「圧倒的なオーディエンス」「共視聴」「大画面」「高い視聴完了率」「セカンドスクリーン」「デジタル(ターゲティングと計測)」の六つが挙げられます。皆さんはどうお考えですか?
綾瀬(ABEMA):大きい画面で訴求できることは大きいですね。最近では45インチが主流になるなど、テレビサイズの大型化が加速しています。
矢部(TVer):大画面であることは高い視聴完了率にもつながっていると思います。大きなデバイスで腰を据えて見てもらえるため、CTVの番組・広告ともに視聴完了率はスマートデバイスの中でも高いです。そのため、広告のメッセージを伝えやすいと考えます。
綾瀬(ABEMA):アクションの促しやすさもCTV広告の大きな価値と言えます。CTVを視聴する人は手元にスマホを持っていることが多く、CTV視聴をきっかけに検索行動を起こした人のうち49%はリアルタイムに検索しているそうです。CTV広告はモバイルと非常に相性の良いデバイスだと考えます。
矢部(TVer):高い共視聴率も特徴として挙げられます。当社が実施したアンケートによると、家族など二名以上でCTVを視聴する人の割合は34.5%でした。1インプレッションの価値が非常に高いと言えるのではないでしょうか。
【2023年版】CTVガイド:アプリマーケターのためのインサイト
コネクテッドテレビ(CTV)をマーケティングで活用する際に、知っておくべき情報を網羅しています。AdjustのWebサイトよりガイドをダウンロードしてご確認ください。