心が動いた消費は映画やレジャーが伸長
今年5月の新型コロナウイルス感染症の五類化移行によって、世の中が活気を取り戻す中、消費意識に新たなトレンドが生まれてきました。直近の消費トレンドとしてDDDが公開したのが、言い訳をしない「堂々消費」です。今回はこの「堂々消費」ついてお話しさせていただきます。
DDDは、欲望が充足された消費体験を「心が動く消費」と定義し、論理的には語れない、また本人も気づいていないインサイトを発見するための調査を実施しています。「心が満たされた」「いい気分になった」消費について聞き、その自由回答をもとに心が動く消費のランキングを作成する形です。
はじめに、直近5月の調査結果を見ると、心が動いた消費として多数挙げられたジャンルは、1位:外食(テイクアウト含む)、2位:映画、3位:衣料品、4位:レジャー/テーマパーク、5位:家電/精密機器となりました。
前回調査(2022年11月)から大きく伸長したジャンルは、映画とレジャー/テーマパークで、いずれもイエナカではなくイエソトを楽しむコンテンツや体験系の消費である点に注目しました。
映画については、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』と『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』を挙げた方が特に多く、実際に映画館に足を運んで新作を見た方が多かった様子がうかがえます。また、マリオの映画を見てゲームが欲しくなった50代男性や、コナンの映画を見て新しいテレビが欲しくなった30代男性など、第3回の記事でご紹介した「消費の好循環」につながった様子も見て取れました。
レジャーについては、今年40周年を迎えた東京ディズニーリゾートを中心にテーマパークと回答した方が多く、自粛や制限のない中で、思い切り屋外で楽しめる体験消費を堪能したことが結果に表れていました。
過去6回の調査のランキング推移を見てみると、1位の「外食(テイクアウト含む)」は2021年9月以降不動の1位で、「心が満たされる」「いい気分になる」イエソト消費の定番であると言えます。映画は2021年5月のパイロット調査時に1位、その後も上位にランクインしていましたが、自由回答を見てみると2022年頃までは新作よりも往年の名作やシリーズ作品などが挙がっていることが多かったため、映画館ではなく自宅などから動画配信サービスや地上波テレビで映画を楽しんでいたと考えられます。