博報堂DYメディアパートナーズの研究開発コミュニティ「TV AaaS Lab(テレビアースラボ)」はこのほど、「新規テレビ出稿広告主分析2023」を実施。これは、関東・関西・名古屋いずれかのエリアで初めてCM出稿した企業6,389社の過去13年分のデータを分析したものだ。その結果の一部を紹介する。
2022年度の新規CM出稿企業は267社
2022年度に新規で出稿した広告主数は267社で、前年に比べ69社減った。一方、2018~2021年度にかけては、関東・関西・名古屋3エリア平均で100社以上増加。TV AaaS Labは「コロナ禍で成長を遂げたDX関連のWebサービスやデジタルエンタメ企業が、テレビ出稿に踏み切ったことが主な増加の要因」と分析している。
1社あたりのGRPは漸減傾向に
新規出稿企業の初年度のGRP(※)はコロナ禍の影響を受けた2020年を除きほぼ横ばいだが、広告主数が増加傾向であるため、1社あたりの出稿規模は漸減傾向に。
※Gross Rating Pointの略。一定期間に放送されたCMの視聴率を合計したもの
3年以上継続出稿している企業の約7割が翌年も出稿
継続出稿率を調べたところ、新規広告主の約40%が2年以上出稿を継続している、とTV AaaS Lab。また、3年以上継続した広告主の翌年の出稿率は70%を超えるという。
毎年50社程度のスタートアップ企業CM出稿を開始
ここ5年間で新規出稿した広告主におけるスタートアップ企業の比率は、2020年の13.6%をピークに10%前後で推移。年間平均で約50社程度のスタートアップ企業が新規でCM出稿を開始している。
この現象に対し、TV AaaS Labは「従来デジタル広告を中心にマーケティングを行ってきた企業がテレビにも同様のモニタリング・運用環境を求めるケースも多く、運用型テレビ市場の成長ドライバーになっている」と指摘している。
【分析概要】
データソース:ビデオリサーチのテレビCM統計(関東・関西・名古屋)
対象期間:2010年4月~2023年3月
対象社数:6,389社
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