高精度のアウトプットを導くプロンプト例
ChatGPTの得手不得手を踏まえ、マーケティング業務における活用の具体例とポイントを見ていこう。まずはメルマガの件名をブラッシュアップするケースだ。「件名を10パターン考えて」という曖昧な指示を出すと、似たような件名が10案出てくるため、訴求ポイントを明確に指示することが肝要となる。

訴求ポイントが参照情報に含まれていない場合、ChatGPTによる創作が発生してしまう。LPの情報量や訴求ポイントの指示をうまくコントロールすれば、精度の高い件名案を一発で出せるようになるという。次のような要領だ。
メリット訴求:
業務効率化を実現!ChatGPTのマーケティング活用法を公開
価格訴求:
プレミアムセミナー無料招待!ChatGPT活用法を詳しく紹介
疑問での訴求:
ChatGPTをマーケティングで本当に活用できるの?
課題訴求:
ChatGPTの活用で悩むマーケター必見!具体的な解決法を提案
声訴求:
渥美さんの実体験から学ぶ!ChatGPTの実用ガイド
権威訴求:
業界トップの渥美英紀が伝授!ChatGPTを使った業務効率化の秘訣
数字訴求:
400以上のプロジェクトを手掛けた専門家が指南!ChatGPTの効果的な活用法
さらに「疑問での訴求と課題訴求の掛け合わせで5パターン作って」と投げかければ、より多くのアイデアが出てくる。このようにバリエーションを増やすための方法は、セミナーのタイトルや広告コピーの考案にも応用可能だ。
次の活用例は、メルマガの本文を作成するケースだ。起承転結レベルの構成指示では文章がうまく出力されないため、一文ずつ細かく指示しながら文脈を定義すると良いだろう。

この方法なら、ChatGPTと何度も会話を重ねることなく一発で使えるアウトプットが引き出せるという。このように狙った文章を書いてもらうアプローチは、Webサイトに掲載するテキストや問い合わせ対応のたたき台、SEO記事などの作成に応用できる。
文章作成のさらに手前、企画のアイデアを考える際におすすめのTIPSがある。それは「専門家でも迷うケースをいくつか挙げて」という投げかけだ。実際に渥美氏が試したところ、出力された7ケース中4つは専門家が実際に迷いがちなケースだったという。セミナーやホワイトペーパーのネタを探す場合に試す価値がある。
曖昧な役割は与えず条件文に翻訳せよ
ChatGPTへの指示、つまりプロンプトを開発する際のポイントは、次の7つを組み合わせることだ。渥美氏いわく「マーケティングに関わるほとんどのプロンプトはこれらの組み合わせで書ける」という。
1.指示
具体的にChatGPTにやってほしいことを伝える
2.役割
ChatGPTに務めてほしい役割を与える
3.条件
出力時に満たしてほしい条件を伝える
4.定義
用語や条件の具体的な定義を伝える
5.出力形式
アウトプットする形式(表組、箇条書き)を伝える
6.参考
出力時に参照すべきデータを与える
7.データ
素材となるデータを与える
「ChatGPTに役割を与える際は注意が必要」と渥美氏。なぜなら、ChatGPTに与えた役割がアウトプットに余計な影響を生む可能性があるためだ。たとえば「学校の先生」という役割に引っ張られて文章が指示口調になるなど、ソフトの内容ではなくハードの文体に工夫が働いてしまうという。汎用的に使えるプロンプトを開発するためにも、役割を条件文に翻訳して指示することを渥美氏は推奨する。
