実務・実践・再現性の切り口からマーケティングの次の一手を探るMarkeZineプレミアムセミナー。8月に実施した回『マーケターのための「ChatGPT」活用講座』には、自社での“実験”を経てクライアントのChatGPT活用を支援するウィットの渥美英紀氏が登壇した。好評につきアーカイブ動画の期間限定公開(現在は公開終了)に至った内容の一部を、本稿でお届けする。
マーケターが注目すべき新機能
「ChatGPT」とは、米国のOpenAIがリリースしたLLM(※)の生成AIだ。対話型のAIにつき、自然な会話が可能な点に大きな特徴がある。2022年11月ごろバージョン3.5がリリースされ、2ヵ月後には1億ユーザーを突破した。APIによって様々なシステムとChatGPTをつなぐことができるため、自社で導入している既存システムの高度化や汎用性の向上にも役立つ。
※Large Language Modelの略で、大規模言語モデルのことを指す。膨大な量のテキストデータを学習する人工知能の一種。特定の文が与えられた際、過去に学習したテキストデータのパターンに基づき次に続く文や単語を予測する
2023年4月、GPT-3.5より高度なGPT-4が有料版としてリリースされた。GPT-3.5が生成する文章に見られた本文内の矛盾がGPT-4では解消され、多少複雑な指示にも耐え得ることからChatGPT活用の機運は一気に高まった。
ChatGPTの機能アップデートのスピードは目覚ましい。特にマーケターが注目すべき新機能は「Advanced Data Analysis(旧コードインタープリター)」だ。7月上旬にβ版の提供が始まった。従来は会話を基にしたアウトプットがメインだったが、同機能によってExcelデータからグラフを作成したり、CSVから特定条件に当てはまる情報を抽出したり、数字データに統計処理を与えたりすることが可能となる。さらに、プログラミング言語の「Python」で出した指示にもある程度応じることができるという。OpenAIが示すロードマップによると、ChatGPT上で一度に読み込めるテキストの量を2023年中に100万トークン(日本語の30万文字相当)まで増やす可能性がある。
ChatGPTの得手不得手
ChatGPTは文章作成、要約、書き直し、校正のほか、アイデアや複数の視点を提示すること、企画の“漏れ”を指摘することにも長けている。マーケティング業務に置き換えると、メルマガの作成やセミナー企画のアイデア出しなどに活用の余地があるだろう。Advanced Data Analysisでアクセスログのデータを読み込み、分析コメントを出力することも可能だ。業務効率化の文脈で語られがちなChatGPT活用だが、渥美氏は「コンテンツの品質向上や制作業務の標準化が大きな魅力」と語る。
逆にChatGPTが不向きなことは何か。パターンを学習し、依頼条件に沿う確率の高いテキストや画像をアウトプットするのが生成AIの基本原理だ。そのため、正確な情報の出力やエビデンスの提示が得意ではない。また、抽象度の高い問いかけには抽象度の高いアウトプットを返す傾向がある。論理的に物事を展開することが苦手な側面もあるため、使い手が道筋に沿ってステップバイステップで答えさせるアプローチが有効だ。
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渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)
1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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