コンビニ展開の勝ちパターンは、初期出店エリアの選定から
磯山:「ベースフードさんのマーケティングがすごい、特にコンビニへの展開がすごい」という話をよく聞きます。コンビニへの展開、リテールの強化にはどういった狙いがありますか?
齋藤:狙いの一つは、デジタルマーケティングだけではリーチできない層への認知獲得です。また、これまでにWeb広告を見てBASE FOODを知ってはいるけど購入に至っていない層が相当積み上がっていたので、そうした層への1袋単位で買えるトライアルの場の提供という狙いもありました。
実際、認知度は20%近く上がりました。コンビニで購入した後、自社ECで定期購入に転換する人もかなりいるので、狙い通りできているかなと思います。

磯山:検討層がかなりいるのがわかっていて、成功するのがある程度見えていたんですね。
齋藤:最初は、定期購入者が多いエリアのコンビニから進出しました。コアユーザーは毎月20袋から30袋購入するのですが、次の便が届く数日前に食べきってしまう人が結構多く、「買い足し需要」がありました。
コンビニに商品を置き始めると、そうしたコアユーザーが足を運ぶため、売り場の実績を作ることができます。実績があることで一気に広いエリアの店舗に展開することができるんです。
磯山:まだ購入者が少ないエリアに進出しようと考えてしまいそうですが、逆なんですね。
齋藤:普通なら専用の什器は設置させてもらえませんが、実績があるので置かせていただけました。什器を使ってブランドの世界観や、「体に必要なもの全部入り」というコンセプトを店頭で伝えています。
磯山:店頭什器はすごかったですよね。コンビニとECをつなぐ取り組みはされていますか。
齋藤:店頭で伝えられる情報は限られているので、パッケージにQRコードをつけ、遷移先でコミュニケーションをとれるようにしています。
また、定期購入者に対して店頭で商品を受け取れるギフトを発行しています。これは友人に配れるようになっており、友達紹介による新規獲得と店舗への送客につなげています。
伴走者として、仲間として、末永く健康をサポートしたい
磯山:今後目指すブランドの世界観や、ユーザーにとってどんな存在でありたいかをお話しいただけますか。
齋藤:美味しくて体にいい主食を通じて、誰でも簡単に楽しく健康になれる世界を作るのが我々のミッションです。その先のビジョンとして、健康の不安がなく、自分のやりたいことを楽しみ尽くせる世界にもつながります。
そのためにも、ユーザーの健康をサポートする伴走者のような存在になりたいと思っています。「企業と消費者」として関わるよりも、健康を当たり前にしていく大きなプロジェクトに参加する「仲間」として、お互いに良い影響を与えあいながら、長いお付き合いをしていきたいですね。
磯山:今後の展開についても教えてください。
齋藤:ベースフードは今後、フードテック×デジタルテクノロジーという2つの力を活かして、健康を当たり前にする事業をより加速させていきます。海外展開も加速させていきますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

取材を終えて
フードテックで注目のベースフード様にブランド価値の向上についてお話しを伺いました。
オンラインコミュニティ「BASE FOOD Labo」ではユーザーがアクションしやすい仕組み作りからユーザーの声を反映した商品作りといった、ユーザーをファン化していく取り組みが印象的でロイヤリティ向上の仕掛けについてお話しいただきました。
またコンビニ展開ではオフラインに取り組むことでの認知度向上、そしてファンの方に寄り添った出店戦略などブランド価値の向上につながっていました。齋藤さん、貴重なお話をありがとうございました。