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MarkeZine Day 2025 Autumn

探訪!時代をとらえ、成果につなげるテレビ活用術

「どうする?GOする!」タクシーアプリのGOが仕掛けたブランド想起のためのテレビ活用術


ラッピング広告を含めたOOHとの連動でテレビCMの効果を最大化

――御社はこれまで、OOHやタクシーのラッピング広告のように多彩なメディアを使用してマーケティングを行われてきました。その中で、テレビCMの役割をどのように位置づけていますか?

 タクシーアプリは、従来のタクシーの乗り方に対して手段が一つ増えたものです。つまりタクシーを使う上で必ずしも必要なものではありません。

 そういうポジションのアプリを使用してもらうために、タクシーユーザーの中での「GO」の助成想起および純粋想起をいかに上げるかが「GO」ローンチ時の重要な事業課題でした。こういった認知度の拡大に向けてテレビCMへの出稿を検討しました。

 しかし、いくら日本のテレビCMの影響力が大きいといっても、いきなり訴求しただけでは多くの視聴者にスルーされてしまう可能性がありました。そこで、半年間、「GO」のラッピングをしたタクシー車両を多く走らせ、「GO=タクシー関連の何か」という意識づけを行い、その後テレビCMを使用することで認知率向上を図りました

街中を走るラッピング広告のイメージ

――現在のテレビマーケティングでは、デジタルチャネルとの相乗効果を期待した運用が定着しています。テレビCMの出稿に際して、連動を意識した他のチャネルや、相乗効果の最大化のために工夫した点があれば教えてください。

 当社のアプリは、タクシーを使いたいタイミングで入れるといったものや、別のタイミングで入れておいてタクシーを使うタイミングで思い出すといった使われ方がほとんどです。そうなると重要なのは、どれだけ事前から「GO」のイメージを刷り込めているかになります。そのような利用特性からWeb広告との相性はそこまで良くないので、あまり注力はしていません。

 テレビCMとの相乗効果を最も発揮したのは、街中のOOHでした。2021年時には、鉄道や、駅ナカも含めて相当な量のOOH広告を出稿していました。特に、新橋などの代表的なロケーションに出稿する際は、特にテレビCMとの相乗効果を意識していました。

実際に展開されたOOH 

――ブランド想起には、多くの企業が非常に苦労していると思いますが、「GO」は強い意識付けに成功されているように見えます。特にどんな点を意識されていたのでしょう。

 CMのクリエイティブには注力しました。テレビCMは受動メディアですので、なんとなくテレビを見ている視聴者の印象にいかに残るかが重要になります。特に、上の世代ほど、路上でタクシーを止めるといった昔ながらの乗り方が定着していることが多いです。そんな彼らにアプリを認識してもらうために、タレントの皆さんの力を借りつつ、「どうする?GOする!」というキャッチコピーのテレビCMを行うことで、見た人が自分ごと化できるCM作りを意識しました。

実際に流れたテレビCMの1シーン

約7割がオーガニック流入 投資判断はトータルのCPAから

――テレビCMは「高額な割になかなか投資対効果が見えにくい」などと言われることがあります。GOにおけるKPIの立て方や効果測定の方法について教えてください。

 テレビCMを実施した主な理由は、やはり認知度を取るためです。助成想起や純粋想起に加えアプリを知っている人の中で利用意向度が高い人がどれだけいるのかといった点は、重要指標として定点的にモニタリングを行っています

 さらに、Web広告等含めペイドメディアへの出稿に力を入れなかったことが、結果的に当社ではテレビCMのやりやすさにつながったと感じています。なぜなら、先述の通りサービスの特性上、流入ユーザーは、約7割が広告からではなくオーガニックになります。ラッピング広告に関してもタクシー会社からのご協力の下で安価で掲載できていることもあり、現在、全体のCPA≒テレビCMのCPAとして考えることができています。

 また、組織面においてもデジマとPRで分かれてしまう一般的な考え方とは違い、当社ではペイドメディアもテレビCMも、さらには友人紹介のクーポンなどもアプリ事業本部内のマーケティングの部門で予算を管理しています。そのおかげで、「CPAはトータルで成り立っていれば問題ない」と全体を見て合理的に判断を下すことができるのも強みです。

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ブランド想起率が2倍も向上!

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この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/22 19:58 https://markezine.jp/article/detail/43557

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