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『憧れの存在がフックに』『コスパ至上主義からの脱却』2024年秋の美容トレンド予測

 本記事では、スパイスボックスのSocial Insight Lab.でアナリストを務める奥村咲香氏が、SNSデータをもとにした2024年秋の美容トレンド予測を紹介します。

2024年夏は、素材の美しさを重視

 こんにちは。スパイスボックス Social Insight Lab.アナリストの奥村咲香です。Social Insight Lab.では、SNSの投稿データやプロファイリング情報を抽出して生活者のインサイトや動向の分析を行っています。今回は、X(旧Twitter)上の美容に関する投稿データを分析し、2024年夏までのトレンドサマリーと、2024年秋の美容需要を予測します。

 まず、2024年夏に100エンゲージメント以上を獲得した美容関連のXの投稿に含まれていたキーワードを抽出し、2023年夏同期間より出現率が増加していたものをリストアップしました。

 その結果、2024年上半期の美容トレンドとして、素材の美しさを演出するための手法がより具体的・専門的になっていることがわかりました。コロナ禍に発生した「素材改善美容」の流れ、つまり「肌や髪のケアで作る本質的な美しさ」を求める考えは美容関心層に浸透しており、2024年の今はその手法の追求が盛んです。

エンゲージメントの高い水光肌、薄肌メイク

 メイクアップに関しては、ベースメイクの仕上がりと全体的な色味の統一感によって肌の美しさを演出するメイク方法が関心を集めました。

 女優やアイドルの、水分に満ちていて内側から光るような肌を表す「水光肌」がフックとなり、肌の凹凸を隠すことで潤いをキープするベースメイクの方法やおすすめコスメがエンゲージメントを集めました。「毛穴」というワードが2023年より増加しているのは、多くの人の悩みである毛穴を隠すベースメイク需要が高まったからだと考えられます。

 「汗」「崩れ」といったワードも増加しました。毛穴カバーやベースメイクの仕上がりを重視するトレンドの中で、夏に増加する汗によるメイク崩れを防ぐ方法の需要が非常に高まりました。

 また、「薄肌」「盛り耐性」といったワードが見られます。これは、メイクを濃く重ねない方が映える顔立ちや肌質のことを指しており、美容インフルエンサーやメイクアップアーティストの投稿によって認知されました。特に、肌の厚さによってベースメイクを変えるべきという啓蒙は新鮮で、普段のベースメイクを野暮ったく感じていたユーザーが薄付きで綺麗に見えるベースメイクに注目しました。

 「水光肌」のトレンドは、スキンケア領域でも見られます。「メイク」「朝」といったキーワードの増加は、朝のメイクのりと日中の崩れなさのためのスキンケア需要が高まったことによるものでしょう。ベースメイクを重視するメイクトレンドによって、メイク映えのためのスキンケアニーズが高まりました。

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この記事の著者

奥村 咲香(オクムラ サキカ)

スパイスボックス Social Insight Lab.アナリスト
 プロデューサーを経て、スパイスボックス独自のSNSデータを活用した、SNSアカウント運用・オフライン統合施策・新規事業立案などを目的としたプロジェクトにおけるデータ活用・戦略立案に参画。現在はナショナルクライアントを中心に、各SNSプラットフォームを...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/28 08:30 https://markezine.jp/article/detail/43931

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