コンバージョンに貪欲なCriteo広告
──楽天さんではCriteoさんを長く使われているそうですが、他の媒体と比べてどのような特長がありますか。
天滿:Criteoさんの広告は弊社で10年以上使っています。特長は2つありまして、1つは他のプラットフォームやDSPと比較すると、SSPが圧倒的に優れているところです。他にはない在庫量とカバレッジの高さにより、Criteoさんでしかとれないユーザーがいます。
もう1つは、コンバージョンに対し貪欲なエンジンであることです。ターゲティングの精度が素晴らしいので、運用型広告の中でも多くの予算をCriteoさんに投下していました。元々ローワーファネルに重きを置いていたこともあり、ダイナミック広告をどんどん回して活用してきました。
──Cookieレス化に向けて、Criteoさんに求めることは、どのように変化しましたか。
天滿:従来は、ほぼ100%Cookieに依存して成果を上げてきましたが、2〜3年ほど前からCookieを使ったリターゲティング以外の方法でターゲティングをしていかなくてはいけないという課題感を持っていました。弊社ではリターゲティング以外の領域を「プロスペクティング」と呼んでいますが、そこをなんとかしていきたいとCriteoさんに相談しました。
確度の高いユーザーにリーチさせる!広告配信開発の道のり
──Criteoさんは、楽天さんのリクエストにどう応えていきましたか。
小川:2022年末に楽天さんと、フランス本社のメンバーも含めた弊社とでディスカッションした結果、新規ユーザーに向けた広告配信を行うCCA(Criteo Customer Acquisition)導入にチャレンジするアクションアイテムが生まれました。
CCAは、まだ楽天市場を訪れたことのない新規ユーザー群のうち、楽天市場に訪れたことのある既存ユーザーに類似した、購買確度の高いユーザーに対して配信を行う類似オーディエンスのプロダクトです。つまりアッパーファネルの中でも、購買意欲の高い見込みユーザーに配信していきます。さらに現在は、類似ユーザー以外にコンテクスチュアルユーザーという、Cookieレスのユーザーも含んでいます。
小川:そして楽天様と何度も協議を重ねていく中で、弊社のプロダクト担当者から「Golden Setupと組み合わせてはどうか?」というアイデアが出てきました。
──Golden Setupとはどういったものなのでしょうか。
小川:CCAでは本来、新規ユーザーだけをターゲットとしているのですが、Golden Setupは既存ユーザーもオーディエンスに含めることでより楽天市場の利用ユーザーの行動特性に沿ったラーニングを行い、類推精度を高めるものです。
これらを組み合わせることで、購入確度の高い新規ユーザーに対して配信することが可能となりました。2023年の2月頃からCCAとGolden Setupを組み合わせた検証をスタートしましたが、開始すぐから高いパフォーマンスが出ています。
楽天市場様では、数年前にCCAがローンチされた後すぐに実施済みの施策となっており、当時はパフォーマンスが見合わず配信を停止した経緯がありました。今回は設計を変更しての再チャレンジという形でしたが、これまでパフォーマンス改善以外の様々な観点でも議論を重ねてきたことで、過去停止した施策の再検討ができた点は良かったと考えています。
楽天とCriteoが行った、Cookie規制強化も視野に入れた新規・休眠ユーザー獲得施策がわかる!
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