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ブランディング先進企業に学ぶ、マーケティング戦略としてのブランディング

ゆるふわブランディングに提言!P&Lに責任を持つマーケターが持つべき「先行指標」の考え方

先行指標としての指名検索の有用性

木村:ありがとうございます。先行指標と結果指標という区分けで説明するとわかりやすいですね。指名検索は、どのような点が先行指標として有用なのですか?

田部:定量調査をもとにした効果測定は、どうしても統計上で若干の誤差が出てしまい、結果が出るまでに時間も要します。その点、指名検索は実数ベースのため統計上の誤差がなく、リアルタイムで計測できるためPDCAを回しやすい先行指標であることが特徴です。

『ブランド力を高める「指名検索」マーケティング 顧客の検索行動を決める、動画広告の活かしかた』
『ブランド力を高める「指名検索」マーケティング 顧客の検索行動を決める、動画広告の活かしかた』

木村:定量調査で想起率をずっとトラッキングできる企業ばかりではないので、定量調査が難しい時は、僕も指名検索を使うことがあります。

田部:大手企業を中心によくある話ですが、精度の高い完全指標を重視し、施策の振り返りに3~4ヵ月かかることがありますよね。その場合スピード感を持ってPDCAを回すことは不可能です。最終的に正しい結果を見ることも重要なため、リアルタイムに打ち手を考えていく先行指標と、正しい効果である結果指標の両軸で考えなければいけないと思います。

ブランディングの落とし穴「独自性の前に見るべきもの」

田部:木村さんの書籍の中にある、POPとPODはともすると落とし穴になる可能性があるかもしれませんね。ネット印刷なら「安い」、食品なら「おいしい」という根元的な要素がない場合、検討段階に入りません。カテゴリーにおける根元的な価値=POPがあって、初めてPODが効いてくるわけですが、前提条件が整っていないまま独自性を追求しようとする企業も多いように感じます。

POPとPODの考え方/書籍『ブランド・パワー ブランド力を数値化する「マーケティングの新指標」』より
POPとPODの考え方/書籍『ブランド・パワー ブランド力を数値化する「マーケティングの新指標」』より

木村:めちゃくちゃわかります。POPがないと始まりません。

田部:そうですよね。まずやるべきはPOPの部分で、そのカテゴリーで絶対的に求められるレベルまで商品・サービスを到達させる必要があります。その上で独自性があればなおよいわけです。POPが5点満点中2点や1点の状態で独自性だけが高くても不均衡になり、その場合の独自性はもはや独自性ではなく、ギミックのような状態になってしまいます。

 そのため、この2つの視点でブランディングを見ることが非常に重要です。マーケターの皆さんはこの点を意識されるとよいと思います。

木村:田部さんのお話しにあった通り、POPはカテゴリーにおける根元的な価値であり、顧客に選ばれるための最低条件とも言えます。ブランディングというとどうしても“差別化”を考えがちですが、そもそもPOPが合格点に到達していないブランドは多いです。POPとPODの概念やスコア算出方法も書籍で解説しているので、ぜひブランディングの基本として参考にしていただければと思います。

 後編では、田部さんがノバセルで実際に行われてきたブランディング戦略について、詳しくお聞かせください。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/19 09:15 https://markezine.jp/article/detail/44179

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