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探訪!時代をとらえ、成果につなげるテレビ活用術

ライフネット生命が目指す“テレビデバイス”としての効果最大化 CTVへの期待と地上波に残される価値


 2023年5月に開業15周年を迎えた「ライフネット生命」。インターネットを主な販売チャネルとする同社は、2023年4月末の保険契約総数が58万件を超え、開業10周年の2018年から、5年間で約2倍へと躍進した。その背景には、長年にわたって出稿してきたテレビCMがあり、時流に合わせて変化する運用法と変わらない発信軸があった。本記事では、マーケティング部長を務める肥田康宏氏に、現在のテレビCMの位置づけやデバイスとしてのテレビの活用について伺った。

マス・デジプロモーション、UX、クリエイティブ、広報まで幅広く担う

MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは肥田さんのご経歴と、現在取り組まれている業務内容を教えてください。

肥田氏
ライフネット生命保険株式会社 営業本部 マーケティング部長 肥田 康宏氏

肥田:総合広告代理店、PR会社を経て、10年ほど前にライフネット生命に入社しました。以来ずっとマーケティング部に在籍し、テレビCMをはじめとするプロモーション領域や広報PRに携わってきました。2021年に営業企画部長で営業戦略を経験したのち、2023年の5月から再びマーケティング部の責任者を務めています。

 ライフネット生命のマーケティング部では、マスプロモーションからデジタルプロモーションまでフルファネルで見ています。一般的にはテレビ広告とWeb広告を担当する組織は分かれている企業も多いと思いますが、当社では同じ部で統括しているのが特徴です。

 当社はWebサイトで生命保険を販売しています。実店舗はありませんので、Webサイトが唯一の“店舗”にあたります。お客さまがWebサイトに来訪された後の“接客”はもちろん、お客さまに生命保険を広く深くご理解いただくための情報提供のすべてを同じ部署内のUXチームが担っています。また、クリエイティブ制作の部門も同じ組織内にいて、ブランドマネージャーがプロモーションとサイトのクリエイティブを横断的に見て、ブランドマネジメントを行いながらクリエイティブの開発を行っています。UX改善、サイト運用、広告、クリエイティブ制作、さらには広報機能まであるチーム構成となっていて、業務領域はかなり幅広いですね。

MZ:幅広い領域を担うマーケティング部ですが、ミッションはどんなところにあるのでしょうか?

肥田:マーケティング部のKGIは生命保険の新契約件数です。保険料の見積りをしていただかないことには、保険検討が進みませんので、広告~サイト来訪、そして、申し込み手続きの開始まで、KPIはいくつかありますが、ミッションは、ライフネット生命をより多くの方に知っていただき、より良い生命保険選びをしていただけるようにあらゆる努力や改善を惜しまない、に尽きます。

地上波CMを軸にCTVとの最適バランスを目指す戦略設計

MZ:「ライフネット生命」では、長年にわたってテレビCMを出稿されている印象があります。近年ではメディアの接触時間も変化していますが、貴社ではテレビCMの役割を現在どのように位置づけていますか?

肥田:前提として、テレビやスマホ、PCなど動画でリーチできる媒体の中でも、スマホのような小さな画面と区別するという意味で、当社では「テレビ」ではなくあえて「テレビデバイス」という言い方をしています

 テレビデバイスの中には2種類のテレビCMがあると考えています。1つは、一度に1,000万人単位の方々にリーチできる「地上波のテレビCM」。もう1つは、コネクテッドテレビ(以下、CTV)を通じてデジタル広告のようにターゲティングができる「CTVCM」です。当社は生命保険会社の中では、ブランド認知としてはまだまだ弱いところがありますので、地上波を最大限活用してリーチをとにかく大きくしています。CTVはそのポテンシャルの高さに着目していますが、未知の部分も多いため、今は検証と分析を繰り返すフェーズです。

 双方の特性を比べると、一番の違いはターゲティングができるか否か。その点でCTVは魅力的です。当社のメインターゲットであるお客さま層は20〜30代の子育て世代です。周知の通り、地上波テレビは若年層の視聴時間が減っています。であれば、地上波を軸としながらも、よりターゲット層にリーチするために、CTVを上手く活用することが大事だと考えています。

MZ:地上波とCTVで、どのように最適なバランスを取っているのでしょうか?

肥田:ツールを使って投下効率をこまかく見ながら、運用比率を決めています。最近は、地上波とCTVを同じ土俵と指標で、効率を比較できるツールを広告代理店が提供しはじめました。これはCMの効果検証を積み重ねてきた我々にとって、大きな転換になりました。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/28 12:44 https://markezine.jp/article/detail/44217

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