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ピックアップ!業界最新動向

日本コカ・コーラの事例から伝わるフジテレビの本気 常識を覆す画期的な新CMサービスとは?

 注目を集めたニュースのTOP15を毎月ランキング形式で紹介する、雑誌『MarkeZine』の連載「業界最新動向」。本企画ではランキング上位からニュースを1本ピックアップし、深掘り取材を行います。今回は「フジテレビジョン、2種類の新テレビCMサービスを日本コカ・コーラの商品訴求で試験導入」をピックアップ。担当者に新サービスの詳細と事例の成果をうかがいます。

初の試み!番組の本編に広告画像を表示

──まずは、二つの新広告サービス「マルチスタンバイCM」と「ダイナミックボーダーフレーム」の概要を教えていただけますか?

 マルチスタンバイCMは、事前に複数の素材をスタンバイしておいて、放送日当日に流すCMを選ぶことができるサービスです。通常は放送の3営業日前までに素材を決定する必要があり、決定した素材を変更することはできません。マルチスタンバイCMでは、素材決定の締め切りを放送日当日の14時(※)とした点に特徴があります。

※番組によって締め切り時間は異なる

フジテレビジョン 営業局 営業推進室 営業推進部 吉田高次氏
フジテレビジョン 営業局 営業推進室 営業推進部 吉田高次氏

 この仕組みを使えば「放送日当日の気温が●℃を超えたら素材Aを流し、超えなければ素材Bを流す」といった出し分けのほか、SNS上の反響や同時期に出稿しているWeb広告のインプレッションに応じた差し替えなど、様々な要素を鑑みて最適な素材をリアルタイムに選ぶことができます。

 一方のダイナミックボーダーフレームは、データ放送の技術を用いて番組本編の周りを囲むボーダーフレーム型の広告画像を表示するサービスです。この枠に番組の視聴者プレゼント企画の詳細などを表示することはありましたが、広告枠として活用するケースは今回が初めてです。なお、ダイナミックボーダーフレームでもマルチスタンバイCM同様、素材の出し分けが可能です。

テレビCMにも進化が求められる時代

──両サービスの開発に至った背景を教えてください。

 テクノロジーの発展にともないWeb広告が進化を続ける中、スポンサーの満足度を満たすためにはテレビCMも進化を遂げる必要があると考えたためです。マルチスタンバイCMというサービス名で提供し始めたのは2023年からですが、実は東京オリンピックの時期に同様の取り組みは実施していたんです。競技の勝敗結果が出た直後に、CMの出演者が日本代表選手団の結果を祝福するクリエイティブを流しました。この頃からリアルタイム性の高いテレビCMに一定のニーズがあることを実感していたため、スポンサーに活用していただきやすくなるようサービス化に至りました。

 ダイナミックボーダーフレームは、技術局との勉強会をきっかけに生まれました。海外事例に詳しい技術局のメンバーから紹介してもらった手法の一つがボーダーフレーム型の広告だったんです。「うちでもできたらいいね」となり、営業局内で提案しました。

──ほかのテレビ局では同様のサービスがまだないように見受けます。テレビ業界においてマルチスタンバイCMのような手法が浸透しづらい理由はありますか?

 各局が月間2万本以上のCMを流す中、最も避けるべきは放送事故です。スポンサーから指示された素材とは異なる素材を流したり、違うスポンサーのCMを流したりすることがないよう「3営業日前〆切」のワークフローが出来上がっています。つまり、放送事故のリスクを低減しつつ放送日当日の素材差し替えを実現させるハードルは非常に高いため、なかなか実現に至らなかったのです。

──高いハードルを御社ではどのようにクリアしたのでしょうか?

 緊急時に素材を差し替える際のワークフローを一定の制限下で解放しました。何らかの事情でCMを急遽流すことができなくなった場合に、ACジャパンの公共広告が流れますよね。その際のワークフローを用いています。

 マルチスタンバイCMもダイナミックボーダーフレームも、社内の協力なしには実現不可能でした。「広告サービスの向上」という共通ゴールの達成に向けてブレークスルーした事例と言えるかもしれません。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/17 20:42 https://markezine.jp/article/detail/44414

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