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商品カテゴリ別・調査データに見るブランド力の理由―NRI BRAND INDEX調査―

「Louis Vuitton」が人気の秘訣とは?ラグジュアリーブランドを定量分析

Louis Vuittonのロイヤル顧客層が有する価値観

  NBIでは、ブランド調査に加え生活者の属性情報も同時に取得している。そのため、オピニオンリーダーの特性やブランドを支持している層などを紐解くことが可能だ。特に、ラグジュアリーブランドにおいては、実際に購買するロイヤル層をいかに取り込めるかが売上を左右する。ここでは、NBIのスコアで1位となったLouis Vuittonのロイヤル層がどのような価値観を持っているか把握し、彼らを取り組むための要素を紐解く。

 図5では本調査で聴取している消費価値観の項目より、生活者全体での価値観の保有率が特に高い12項目をピックアップ。その中で、同ブランドのロイヤル層との各項目での差分を示している。ここから、ロイヤル層は「多少値段が高くても、品質の良いものを買う」「自分の好きなものは、たとえ高価でもお金を貯めて買う」「できるだけ長く使えるものを買う」といった価値観の保有率が全体と比較しても高いことがわかる。そのことからマス層とは異なり、「タイムレスに使えること」や「アフターサービスが充実していること」といった訴求が彼らに刺さりやすい可能性がうかがえる。

【クリックすると拡大します】
図5.消費価値観
出所:NBI2023(Web調査、2023/2)

説明をしなくても価値を感じてもらえるのがブランド力

 次に、図6では図5と同様の手法で、ファッション意識について示している。ロイヤル層では、「オシャレは服だけではなく、時計やアクセサリーも重要」といった価値観が特筆して高いことがわかる。このことから、ファッションアイテムに加えて、時計やアクセサリーなどのジュエリー分野もトータルコーディネートとして発信することがロイヤル層からの支持につながる可能性も示唆される。

【クリックすると拡大します】
図6.ファッション意識
出所:NBI2023(Web調査、2023/2)

 筆者は「ブランド力がある」という状態を、あるブランドについて、価値が高い理由をわざわざ説明せずとも、人々がその価値を理解・認知していることだと考える。つまり、ブランドの生産地や歴史などを事細かに説明しないと価値が理解されないブランドには、ブランド力があるとは言い難いということだ。特にファッションカテゴリーのラグジュアリーブランドでは、人々は身につけられた商品そのものを目にすることのほうが圧倒的に多く、その場で生産地などの詳細な情報を読み取ることはほぼない。そのため、価値が高いと認識されるには、商品がそのブランドのものだとわかるブランド認知は前提として、そのブランド力が人々から潜在的に理解されていることが重要になる。この理論は他のカテゴリーでも通じる点が大いにあり、ブランド力を定量的に理解することは重要だ。

 NRIでは、ラグジュアリーブランド以外にも複数のカテゴリーでNBIの調査を行っており、それぞれの上位ブランドについては、Webサイト「INSIGHT SIGNAL(インサイトシグナル)」にて順次公表している。

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この記事の著者

梅畑 友理菜(ウメハタ ユリナ)

野村総合研究所 マーケティングサイエンスコンサルティング部 コンサルタント

2020年入社。化粧品業界や、ラグジュアリーブランド、金融機関のマーケティング・ブランディング戦略、その他生活者データを駆使した民間企業のコンサルティングに従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/29 09:00 https://markezine.jp/article/detail/44484

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