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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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西口さん!難しいことはわかりませんが、マーケティングで一番大事なことを教えてください

【マーケティング入門第2回】マーケティングのプロセスは、なぜ“樹海”になってしまうのですか?


 現在、マーケティング領域では膨大な方法論や用語などの情報が氾濫し、初心者マーケターが知識や手法を学ぶ壁となっている。Strategy Partnersの西口一希氏は、初心者向け書籍『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』(日本実業出版社)への反響から、「さらにかみ砕いて伝えるべきだと感じた」という。本連載では、マーケティング領域に足を踏み入れて2年目のMarkeZine編集部・吉永が、西口氏にマーケティングの基本の“き”から質問。第2回では、現代のマーケティングが複雑になっている理由を紐解く。

なぜ、マーケティングのプロセスは“樹海”なのか?

MarkeZine吉永(以下、MZ):マーケティング入門連載の第1回では、マーケティングとは何なのか、その定義について西口さんから伺いました。

【マーケティングとは】

顧客のニーズを洞察し、顧客が価値を見いだすプロダクトを生みだすこと。さらに、その価値を高め続けて継続的な収益を生みだし、その収益を再投資して新たな価値をつくり続けること。

(『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』p46より改変)

MZ:引用した書籍では、マーケティングのプロセスを“樹海”と表現しています。このような比喩をされるほど、マーケティングが複雑なのはなぜでしょうか?

西口:多くの人がマーケティングの樹海でさまよってしまう理由は、大きく2つあると思います。一つは「定義が曖昧」であることです。そもそも、定義がはっきりしていないことを理解するのは難しく、実行することもできません。

 また、定義があいまいだと各社や各部署が都合よく解釈し、誤解や過剰な期待が生まれます。それに応えられないと、マーケティング活動自体が過小評価されてしまいます。

 しかし、今から日本やグローバルで「マーケティングの定義を決めよう」と旗を上げるわけにもいきません。もちろん、各種の協会や書籍などではそれぞれの定義があるので、それらを参考にしながら自社の現実的な活動に照らし合わせて、自社や関係各社で「こういうことを目指す」と共通認識を作ることが大事です。

次々と登場する「〇〇マーケティング」

MZ:2つ目の理由は何でしょうか?

西口:「様々な方法論や手法が増え続けていること」です。前提として、古典的なマーケティングの方法論や手法がありますよね。「4P」「STP」「SWOT分析」といった用語を、吉永さんも聞いたことがあると思います。

MZ:はい。横文字や短縮が多く、2つ3つ読むだけでも複雑だと思うことがあります。

西口:そうした声を、私もよく聞きます。これらの古典的な理論は、もちろん今でも有用な部分はありますが、いずれもインターネットが浸透する前に確立された理論です。この20年ほど、デジタルがすっかり生活者に定着したことで、方法論や手法の数は加速的に増えています。

 実際、そうした多くの新しい発想や提案によってマーケティングが進化してきた側面はあると思いますが、その分マーケターが学ぶことも限りなく広がっています。「〇〇マーケティング」と銘打った新しい手法が、今も次々と登場していますよね。

MZ:たとえば「SNSマーケティング」「バズマーケティング」も、そこにあてはまるでしょうか?

西口:そうですね。SNSはもはや一般用語ですが、SNSが世の中に浸透してマーケティングに有効だとされ始めた当初は、目新しい手法として打ち出されていました。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/19 16:51 https://markezine.jp/article/detail/44641

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