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MarkeZine Day 2026 Spring

先進的なCRMを実践する事例大全

ROIが前年同月比600%超に @cosmeに学ぶスモールスタートなCRM


小さな成果をヒントに大枠を組み上げる スモールスタートが鍵に

 もちろん、当初は成果が見えてこないことに悩まれるかもしれません。ですが、私たちとしては本当に小さい施策からでも積み重ねていくことが、結果につながっていくということを共通言語にしているので、失敗は多くともブラッシュアップできていることは何かを考えながら前に進んでいます。先述のプロジェクトに参加してもらったメンバーには「野球選手であっても打率は3割なのだから、上手く行かないのも当たり前」と鼓舞していましたね。

奥家氏2

 先述の通り、当初は私と新卒メンバー二人で取り組みを始めましたし、現在のように全体設計、基本方針というものはまったくなく、購買や口コミ投稿をめがけてピンポイントな施策を打っていました。少しずつですがデータが溜まったことでヒントが増え、それを基に大枠の設計が定まっていきました。たとえば、当初はより多くの人に広く知っていただくにはと考えていましたが、施策を重ねていくと狭いターゲットでも効果の高い施策があることに気づけます。そうした方向転換を重ねていくイメージです。

 CRMにしっかり取り組もうと思うと、全体を設計しようと意気込んでしまうと思います。しかし、私たちの場合は、スモールスタートでヒントを増やしながら少しずつ設計してきたおかげで、仮説と実状が大きくずれてこなかったのが良かったのではないかと感じています。

━━なるほど。これまでの経験を経て、CRMを推進する意義や価値をどのように見ていますか?

 アイスタイルとしては、世界最高水準の顧客体験を提供したいという想いがあり、ユーザー様との最適なコミュニケーションのためにはやはりCRMは必要なことだと感じます。

 全体に同じ情報を流すような認知を重視したコミュニケーションよりも、1to1コミュニケーションのほうがユーザー様にも、ブランド様にも、私たちにとってもハッピーだと思います。そのための手段は結果的に複雑に、高度になっていますが、最適なコミュニケーションという目的をぶらさずに取り組んでいきたいです。

ユーザーの知りたいとブランドのモーメントを一致させる表現の開拓へ

━━本連載では「先進的なCRMを実践する事例大全」を特集テーマとして置いています。今後、アイスタイルが推進するCRMの展望・展開をお聞かせください。

 大きく分けて二つあります。一つは、当社の企業向けサービスの設計にユーザー様の情報を活用できるようなCRMです。ユーザー様の情報を上手くモニタリングしていくことで、企業向けサービスで向き合うブランド様のためにもなるような設計を深掘りしていきたいです。

 もう一つは、私たちのベースとなっている1to1コミュニケーションのさらなる進化です。これまで@cosmeとして広く打ち出してきたベストコスメや@cosme Beauty Dayといったイベントごとにも、ユーザー様としてはそれぞれの向き合い方があると感じています。こうした私たち@cosmeブランドとして伝えたいこと、提案したいものも、ユーザー様に最適化しながら伝えていきたいと考えています。

 そのために、その時々の私たちのモーメントとユーザー様がマッチするようなコミュニケーションはどんな表現なのか、ユーザー様それぞれのフェーズなどに合わせて検証していくことにチャレンジしたいです。ユーザーが前のめりで楽しめるようなコミュニケーションを取っていきたいですね。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/28 12:38 https://markezine.jp/article/detail/44672

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