初めての転職、なりたい職種に就くために使えるカードとは?
野崎:1社目の会社は2年間働き転職していますね。転職の理由を教えてください。
平田:Webサイトの新規制作から既存サイトの改修提案まで、幅広い業種業態の企業様の支援ができたのは良かったのですが、制作して納品したらそこで終わりになってしまうところに歯がゆさを感じていました。
また、島で生活していたころから使っていたECの領域にも興味があったので、ECサイトを運営していて業務を内製化している企業に絞り転職活動を始めました。

野崎:支援会社から事業会社を志す王道のパターンですね。結果として某下着会社のEC担当に転職することができました。この成功要因には、若手ビジネスパーソンの特権である第2新卒カードを使ったことが挙げられます。
第2新卒にはポテンシャル採用の要素が多分に含まれるので、業種や職種を変えた転職を狙えるチャンスを秘めます。社会人2~3年目の読者の方は、第2新卒という期間限定のカードを使う手段があるということも頭に入れてキャリア形成すると、確実に選択肢は広がります。
さて、2社目の事業会社ではどのような職域を担当していたのでしょうか。
平田:自社ECの担当者として、あらゆる業務に携わりました。最初に担当したのは新規のレンタル事業の立ち上げでした。社内決裁ための資料作りやECサイト制作はもちろん、ささげや出荷のオペレーション構築など雑多な業務を経験しました。
立ち上げが落ち着いた後はECモールの出店を任されました。もちろん未経験なので、ゼロから調べながら作業を進めていきました。
その後に取り掛かったのは、ECシステムの導入です。売上を伸ばそうにも物流面で対応できるリソースに限界があり、うまく運用が回っていない課題がありました。そのため、特に作業負荷の高かった受注・出荷・CS業務をシステムの導入で解決しようとしました。
その後も倉庫を外部に委託したり、適宜システムの入れ替えを行ったりしていました。
転職で大事なのはセンターピンになれる事業・サービスに関わること
野崎:2社目では4年ほど働いて、現在のコマースメディアに転職したのですね。転職のきっかけはなんだったのでしょうか。
平田:様々な ECの改修を進めた結果、EC売上を大きく増加させることができました。その一方で、実店舗がメインのためECに対するニーズが低く、打ち手も制限されていたので別のところでECに関わってみたいと思い、転職を決意しました。
野崎:ここでのポイントは、今働いている場所がセンターピンになれる事業、サービスかということです。平田さんの2社目のように、本流ではないEC事業で売上を上げても、高い評価が得られないケースがあります。また、マーケターに人気の事業会社に転職しても、その事業のプライオリティが高くないと最悪のケースとして、早期サービス終了や事業売却で退職を迫られることもあります。
事業会社でキャリアを形成する際は、支援会社以上にその会社における担当サービスのポジショニングをしっかりと理解しておくことが重要です。