SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

リテールのマーケティングトレンド

店舗があるからEC購入につながり、そしてファンへ──青山商事「SUIT SQUARE」のOMO戦略

ECサイトのような「ブランドコンテンツミックス店舗」とは

MZ:SUIT SQUAREは、元々あった4つのブランドを統合させてできたのですよね。

河野:はい。「ブランドコンテンツミックス店舗」として、THE SUIT COMPANYに加えてワンランク上の生地・縫製のウェアを提供する「UNIVERSAL LANGUAGE」、オーダースーツの「UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE'S」、働く女性向けの「WHITE THE SUIT COMPANY」の4ブランドが一つの店舗に入っている形になります。

 ブランドごとに店舗がある従来の形態と異なり、ECでは異なるブランドを回遊するお客様も珍しくありません。それを店頭でも同様の形で展開し、様々な層の方に来店いただいています。

MZ:洋服の青山とは顧客層が違うのでしょうか。

河野:洋服の青山は認知度も高く、10代、20代のフレッシャーズ世代から60歳以上まで幅広い層に利用いただいています。したがってオーソドックスな商品が多く、20~30代でトレンドに敏感なお客様のニーズに応えるブランドとして立ち上げたのがTHE SUIT COMPANYだったのです。

 SUIT SQUAREとなった現在も、ファッション性やこだわり、トレンドをスーツに求めるお客様に向けて展開しています。ちなみに大阪・梅田のLINKS UMEDA店では洋服の青山と店舗が隣り合っていますが、幅広い商品を提案できる環境となっており、相乗効果で売り上げを伸ばしています。

店舗とオンラインの併用がファン化につながる

MZ:店舗のOMO戦略について在庫の話が出ましたが、他にメリットはありますか。

河野:これまでリアル店舗とECは別々に提供している形でしたが、調査によって店舗とオンラインの両方で買ってくださるお客様が年間の購入額としては高い傾向が明らかになりました。したがってOMO型店舗としてSUIT SQUAREを展開し、店舗に来てくださったお客様にEC利用も促すことでファンになっていただき、LTV向上につなげられます。

MZ:地域によって店舗とECの併用率に差はありますか。

河野:併用率は大きくは変わりません。もちろん、都心エリアのほうがECでの購入に慣れている方が多く、利用率が高い傾向はあります。

 地域の差というより、店舗がない地域はECの収益もあまり上がらない傾向が見られます。企業目線では「店舗がないからECで購入してくださるだろう」と考えがちです。しかし実際は逆で、リアル店舗があるからこそECの購入につながっていたのです。

 スーツという商品の特性上、いきなりオンラインでの購入はハードルが高くなります。まずはお客様に店舗に来ていただき、2回目以降はECも活用いただく流れが自然ですね。

次のページ
「スマートバー」「TAP&FIT」など、店舗体験を向上する工夫

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
リテールのマーケティングトレンド連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/05/07 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45394

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング