施策前後でコアファンの割合は約3.5倍に 若年層での認知拡大に成功
——「凹メシ」プロジェクトで得られた成果を教えてください。
2023年8月に自社で行った調査によると、凹メシ認知者におけるコアファンの割合は、ミツカン商品に普段から触れてくださっている方全体と比較して約3.5倍という結果となりました。これは、取り組みによってミツカンのファンになってくれているということですから、一つの大きな成果だといえると思います。
また、「あそべる凹メシ食堂」では、20代以下の来場者比率が約60%と非常に高く、「通りがけに見かけたのでついでに寄ってみた」方が7%しかいなかったことも成果として挙げられます。これはつまり、年配のお客様が多い当社において、若年層のお客様が自分で「凹メシ食堂」を目的地にして足を運んでくれていることを意味するからです。
さらに、凹メシ食堂を話題にする動画がTikTok上にオーガニックで投稿され、その結果、関連動画の総再生回数は約800万回にのぼりました。
このように若年層の間で話題化することに成功し、若い世代でのミツカンの認知拡大に大きく貢献できたと感じています。
——「凹メシ」プロジェクトを通して得られた気づきは何かありますか?
お客様に寄り添ったコミュニケーションを取らないと、お客様はついてきません。お客様が欲しているものを把握し、その欲しているものを満たしてあげることが重要なのだと考えています。
私の部門で行っている施策のうち、これを象徴的に示している例として、プロサッカーチームであるジュビロ磐田とのコラボがあります。ジュビロ磐田は、アドミラルというスポーツブランドのユニフォームを身に着けているのですが、そのブランドのロゴがミツカンのマークに似ているということで、サポーターの皆様からコラボをしてほしいと熱望されてきました。その要望に合わせて、様々なコラボを行ったところ、多くのサポーターがミツカンのことも好きになってくれるという現象が起きました。
SNSでの「似てる!」の声をきっかけに生まれたアドミラル×ミツカンのグッズ
もし、私たちがやりたいと思っていることやアピールしたいという想いだけを起点にアクションを起こしていたら、このコラボは上手く行かなかったと思います。
そうではなくて、お客様が欲しているものに対して企業として寄り添い、そのニーズを満たすことで、お客様の感動や共感を生みだすことができ、心を動かせるのだと感じています。「凹メシ」プロジェクトでも商品を前面に出さなかったのはこれが大きな理由です。
元気づけることを押しつけにならないようにお客様に徹底的に寄り添い、「気づいたらミツカンの商品を食べていた」と言われるように意識しました。
「元気がなくなった時は凹メシを食べる」が当たり前の世の中に
——最後に今後の展望を教えてください。
まずは、現在行っているような“お客様に寄り添う活動”を今後も継続していきたいと考えています。
それに加えて、凹メシをミツカンだけの言葉ではなく、他のメーカーや小売、行政などと手を組んでもっと世の中に浸透させていきたいと思っています。そして、「元気がなくなった時は凹メシを食べる」が当たり前な世の中を作り、日本を少しでも元気にしていきたいと考えています。
2024年も「凹メシ」プロジェクトを日本全国に広げていくための企画を複数考えています。一人でも多くのお客様にミツカンを好きになってもらえるように頑張っていきます。
